霧の先へ
ここはどこだろう・・・・?
穴の中へ入って行ったアルマスは辺りを見回していた。
辺りは白くて深い霧に包まれ、どこを見ても真っ白で先が見えない。
一体どこに行けばいいんだろう。
こんなに真っ白だと何も見えない。
アルマスはしばらくの間、どうすればいいのか分からなかった。
このまま霧がなくなるのを待ってても、こんなに真っ白だといつになるのか分からない。
とりあえず先に進もう。
歩いているうちに霧がなくなるかもしれない。
アルマスはそう思いながら、どこへ行くかゆっくりと辺りを見回していた。
そしてここだというところで動きを止めると、ゆっくりと歩き始めた。
しばらく歩いて行くと、だんだんと霧が薄くなっているのか、辺りの景色がうっすらと見えてきた。
そしてかなり先に人がいるのか、人影がうっすらと見えてきた。
先に誰かいる。行ってみよう。
アルマスは人影に近づこうと足を早めた。
アルマスが歩いて行くと、1人の細身の女性の後ろ姿が見えてきた。
背が高く金髪で髪が腰まで長く、白いワンピースのような服を着ている。
あれは・・・・女の人?
アルマスが先にいる女性の姿を見ていると、その女性はゆっくりと後ろを振り返った。
女性はアルマスを見た途端、微笑みを見せながら挨拶をした。
「こんにちは」
アルマスは女性に見つめられ、思わずドキっとした。
女性はとても白くきれいな顔をしていたからである。
アルマスはドキドキしながら挨拶を交わした。
「こ・・・・・こんにちは」
「こんにちは」
「あ、あの・・・・ここで何をしているんですか?」
アルマスは戸惑いながら聞くと、女性はアルマスを見ながら答えた。
「あなたが来るのを待っていたの。ようやく会えたわ」
それを聞いたアルマスは戸惑った。
「え・・・・・?」
「あなたはアルマスね。今日ここに来ると思って待っていたの」
「ど、どうして僕の名前を・・・・?初めて会ったばかりなのに」
「私はあなたの事は何でも知っているわ。あなたはここに来る運命だったの」
「え・・・・・あなたは一体・・・・・・」
「私は時の女神。あなたがどうしてここに来ることになったのか全て知っているわ。これからあなたがどうするかも」
「え・・・・・・?」
時の女神の言う事に、アルマスはますます戸惑っていた。
こんなきれいな人が、時の女神・・・・?
一体、何がどうなっているんだろう。
僕は一体どうすれば・・・・・・・。
アルマスが状況を理解できず黙っていると、時の女神が再び話を始めた。
「今の状況が分かっていないようね。私が時の女神だということも・・・・」
アルマスは黙って深くうなづくと、時の女神はアルマスに聞いた。
「なら、どうしてここに来ようと思ったの?」
「それは・・・・・・」
「別の世界に行ってみたいと思ったから。でしょ?」
先に答えようとしたことを言われると、アルマスは思わず時の女神の顔を見た。
時の女神は続けて聞いた。
「なら、どうして別世界に行こうと思ったの?」
「別世界には・・・・そんな世界があるなんて全く知らなくて・・・・・」
「あなたがいる世界で、別世界に行こうとした人達がいた。でも穴が小さすぎて入れない。だから代わりにあなたに
行って欲しいと頼まれた」
「そ、そうだよ。どうしてそんなことまで知っているの?」
「私が時の女神だから。あなたの過去は全部分かるわ。どうしてそんなことになったのか、最初から話をしましょうか。
・・・・・そうね、あなたが学校の男の子達からいじめられているところからがいいかしら。それともあなたがとても
可愛がっていた子猫の話からした方がいいかしら」
アルマスに関する話をすらすらと話す時の女神に、アルマスはただ驚いて聞いているしかなかった。
しばらくして時の女神の話が終わると、アルマスはさすがに時の女神のことを信じるようになった。
時の女神の話は全て合っていたからだった。
「私が時の女神だっていうのを、これで分かってもらえたかしら?」
「うん」アルマスは深くうなづいて続けてこう言った。
「あなたが時の女神だっていうのは分かったよ。僕の過去を全部知ってるし、間違ってなかった・・・・
これから僕はどうしたらいいんだろう?」
「それについては答えられないわ」時の女神は首を横に振った。
「どうして?未来の事も分かってるんじゃないの?」
「分かるわ。でも未来の事を話してしまうと、内容によってはそれを避けて別の事をしてしまうわ。
それはあなたにとって悪い影響を与えるかもしれない。だから先の事は知らない方がいいの」
「・・・・それって、これから悪いことが起こるの?」
「そうじゃないわ」時の女神はすかさず否定した「いいことも悪いことも、前もって知っていたらつまらないでしょう?
それに違うことが起きることを期待して、別の事をしてしまうの。そういうものなのよ」
「・・・・・・・」
「でもこれだけは言えるわ。これからどこに行っても、あなたにとってはいい経験になる。いい旅になるわ」
「それに・・・あなたには一緒に旅をする相棒が必要ね」
時の女神はアルマスに言った後、顔を上げた。
そして空を見上げ、両目を閉じると
「空からあなたを呼んでいる声が聞こえるわ・・・・・今からここに声の主を呼び寄せましょう」
「え・・・・・?僕を呼ぶ声?何も聞こえないけど」
アルマスは辺りを見回し、声を聞こうとするが、辺りはシンと静まり返っていて、何も聞こえてこない。
時の女神は目を閉じたまま微笑んだ。
「あなたには聞こえないわ、アルマス・・・・でも私には聞こえるの。今から呼び寄せるわ」
時の女神は目を開けると、両手をゆっくりと空へ向けて上げた。
両手が上がったと同時に両手から白くて強い光が空へと向かって放たれた。
強烈な光の強さに、アルマスは思わず目を閉じてうつ伏せになった。
眩しい・・・・光が強すぎて目を開けていられない。
アルマスは両目を思いきりつぶっていたが、しばらくするとどこからか聞き覚えのある声が聞こえてきた。
なんだろう、この声・・・・・・なんだか聞いたことのあるような声だ。
アルマスがそう思っていると、光が消えたのか目の前が暗くなったような気がした。
アルマスは目を開けて体を起こし、時の女神を見た。
しかし、時の女神以外は誰もいない。
「あ、あの・・・・・さっきの声は?」
アルマスが辺りを見回しながら時の女神に聞くと、時の女神はアルマスを見た。
「声の主を呼び寄せたわ。今あなたの側にいる・・・・・分からないの?」
「え・・・・・・?すぐ側?」
アルマスが戸惑いながらさらに辺りを見回しているのを見て、時の女神は気がついたようにはっとした。
「あ、そうだったわ・・・・・普通の人には見えないのね。今見えるようにするわ」
時の女神は右手をアルマスに向けると、光を放った。
アルマスの右横に光が当たると、だんだんと姿が見えてきた。
そしてうっすらと姿が見えた時、アルマスはその姿を見て驚いた。
見えたのは黒装束の女性に殺された子猫、ホーパスだった。
「ホーパス!」
アルマスは子猫の名前を呼ぶと、ホーパスを抱きしめようと両手でホーパスの体に触れようとした。
しかしホーパスの身体は透明で、アルマスの両手はホーパスの身体をすり抜けてしまった。
「無理よ。その猫はもう死んでいるのだから」と時の女神
「そんな・・・・・ここにいるホーパスは幽霊なの?生き返らせることはできないの?」
「それは無理だわ」時の女神は首を振った。
そしてホーパスを見つめながら
「それにその子猫は空からの迎えが来て、空へ上がる途中で呼び寄せたの。だからもう実体はないわ。幽霊なの。
空に上がって行く途中であなたを見つけて、ずっとあなたを呼んでいたのよ」
「ホーパス・・・・・」
アルマスはホーパスを見ていると、ホーパスはアルマスに向かってミイミイと泣き始めた。
アルマスは再び時の女神に頼んだ。
「時の女神でも、どうしてもホーパスを生き返らせることはできないの?」
「私でもできることとできないことがあるわ。ごめんなさい・・・・生命を生き返らせることはできないの」
「そんな・・・・・せっかくまた会えたのに」
アルマスが寂しそうな顔でホーパスを見ていると、時の女神はミイミイと泣き続けているホーパスを見て
「生き返らせることはできないけど、私が出来る限りのことはするわ」と両手を合わせた。
そして両目を閉じると、何か呪文のようなものを唱え始めた。
しばらくするとずっとミイミイと泣いていたホーパスに変化が起こった。
「・・・・・・あ、あれ?何だろう・・・・しゃべれるようになってる」
「ホーパス?」それを聞いたアルマスは戸惑った「今、しゃべってるのはホーパスなの?」
「うん、そうみたい。アルマスと同じ言葉でしゃべってるよ!」
「ホーパス・・・・!」
アルマスは嬉しくなり、ホーパスを抱きしめようとするが再び両手がホーパスの身体をすり抜けた。
アルマスは時の女神を見ると、時の女神はこう言った。
「言語を司る神に頼んで、その猫に言葉を与えたわ。私が出来ることはここまでよ」
「ありがとう」
「そろそろこれから行く場所を決めた方がいいわ。いつまでもここにいるわけにはいかないもの」
「うん・・・・・でも、どこに行けばいい?」
「そうね」時の女神は霧に包まれた辺りを見回した。
「あなたが行きたいところに行けばいいわ。今ならどの方角へも行ける状態だから」
アルマスは霧に包まれた辺りを見た。
そして再び時の女神を見ると、何かを思い出したように
「そういえば・・・・別世界に理想の国があるって聞いたんですけど、どこにあるか知ってますか?」
「理想の国?」
「教会で黒装束の女の人が言ってました。どこかにあるって」
「それは私には分からないわ。それに理想の国は人によってそれぞれ違うものよ。あなたがこれから行く場所に行って、
あなたが気に入れば、そこが理想の国になるわ」
「・・・・・・」
「そろそろここから離れた方がいいわ。理想の国に行きたいんだったら、まずは動かないと」
「・・・・・うん」
「私もそろそろここから離れるわ」
時の女神はアルマスから離れようと歩き出した。
「え・・・・もう行っちゃうの?ずっと一緒にいるんじゃないの?」
ホーパスが寂しそうに時の女神を見ていると、時の女神は2人の方を向いて
「ずっと一緒にはいられないわ。私もいろいろと用事があるの」
「そんな・・・・・もう会えないの?」
「そんなことはないわ。また会えるわよ」
時の女神はホーパスに近づいて、頭を撫でると、アルマスにも近づいた。
そして右手から白くて小さい紙のようなものが出て来ると、アルマスにそれを渡しながら
「これはお守りよ。これからの旅がいい旅になるように祈っているわ」
「・・・・ありがとう」
アルマスはそれを受け取ると、ズボンの右ポケットに入れた。
「さようなら」
時の女神がその場から姿を消してしまうと、アルマスは辺りを見渡した。
辺りはまだ白い霧に包まれていて、先は全く見えない。
これから僕はどこへ行けばいいんだろう。
アルマスがどの方角へ行くか考えていると、ホーパスがアルマスに近づいてきた。
「これからどうするの?どこへ行くの?」
「ホーパス」アルマスはホーパスの方を向いた。「どこに行こうか考えてるんだ」
「時の女神はここからだったらどの方角でも行けるって言ってたよね」
「景色が見えれば、行きたいところが見えれば決められるけど、この霧じゃ何があるのか見えないし、
どこに行ったらいいのか分からないよ」
「周りが真っ白だから何も見えないね。僕が上へ上がって景色が見えるかどうか見て来るよ」
「え、空へ上がるって・・・・・空は霧はないのかな?」
「分からない。でも行ってみるよ」
「ありがとう」
ホーパスが空へ上がっていくと、アルマスはホーパスの後を追うように空を見上げた。
しばらくするとホーパスがアルマスのところへ戻ってきた。
「どうだった?」とアルマス
「空は霧がすっかりなくなってたよ。時の女神の言った通りだった」とホーパス
「え?」
「辺りは何もないよ。あるのは森と道だけ。ここは森の開けたところみたい」
「じゃ、ここは森の中なんだね」
「森の中というか、森と森の間って言うか・・・・すごく広いところだからどこへでも行けるよ」
「そうなんだ。ありがとうホーパス」
アルマスはホーパスにお礼を言うと、再び霧に包まれている辺りをゆっくりと見回した。
森と森の間って・・・・。
ここからどこに行っても森に入ることになるのか。
森を通って行けば、村か町か、どこかに出られるかもしれない。
とにかくここから移動するしかない。
アルマスは辺りを見回しながら、あるところで目を留めた。
「どこに行くか決まったの?」
アルマスの様子を見ていたホーパスが聞くと、アルマスはホーパスに聞いた。
「ここから真っすぐ行くと、森に入る?」
「うん、しばらく歩くと森に入るよ」
ホーパスが深くうなづくと、アルマスは前を向いたまま
「決めた。このまま真っすぐ行って森に入ることにするよ」
アルマスが歩き始めると、ホーパスもアルマスの右隣に来て一緒に移動を始めた。
しばらく2人が歩いていくうちに深い霧がだんだんと薄れてきた。
霧が晴れてきた・・・・。
辺りがだんだんと見えてきてる。
アルマスが辺りを見ていると、2人の目の前には深い森の入口が見えてきた。
2人は話をしながら、だんだんと森の中へ入って行った。
それから数時間後。
2人は森の中を彷徨っていた。
周りは大きな木々に囲まれ、木々の隙間からは空からの木漏れ日が射し込み、遠くから鳥達のさえずりが聞こえている。
森の中をずっと歩いていたアルマスはふと立ち止まった。
辺りを見回すがまだ周りは木々が続いている。
まだ森が続いているみたいだ。
いつになったら森を出られるんだろう。
その時、アルマスのお腹からグルグルという音が聞こえた。
そういえば、ここに来てから何も食べてないんだった。
するとホーパスがアルマスの右隣に近づいてきた。
「どうしたの?」
「お腹が空いたんだ」アルマスはホーパスを見て聞いた「ホーパスはお腹空いてないの?」
「ううん」ホーパスは首を横に振った「幽霊になってから、お腹空かなくなったみたい」
「そうなんだ・・・・・・」
「大丈夫?」
「大丈夫だよ」心配そうな表情を見せるホーパスにアルマスはうなづいた。
「それにもう少し歩けば、村に出るかもしれない。行こう」
アルマスは再び歩き始めた。
それから数時間後。
空がだんだんと暗くなり、ネズミ色の雲が空一面に広がってきた。
2人はまだ森の中を彷徨っていた。
ホーパスが空を見上げた途端、空から雨粒が落ちてきた。
「雨が降ってきたよ」
「本当だ」アルマスも空を見上げると、雨がだんだんと強く降り出してきた。
「どこか雨宿りできるところはないかな・・・・・それにだんだん暗くなってきたし」
アルマスはどこかに家はないかと辺りを見回していると、遥か遠くに建物の屋根のようなものが見えた。
「向こうに屋根みたいなものが見える、行ってみよう」
2人が行ってみると、小屋のような建物が目の前にあった。
アルマスは玄関らしきドアを見つけると、ドアを叩いた。
「こんにちは、誰かいませんか?」
しかし誰もいないのか、ドアは開かない。
アルマスはもう一度ドアを叩くが、返事はない。
「誰もいないんじゃないの?」
ホーパスがドアを見つめながらアルマスに言うと、アルマスはドアに手をかけた。
そしてドアを開こうとすると、カギがかかっていないのかドアが開いた。
「開いた・・・・・・」
「誰もいないんじゃないの?中に入ろう」
ホーパスが先に中に入ると、アルマスは少し戸惑いながらも
「う、うん・・・・・お邪魔します」と中へと入り、ドアを閉めた。
アルマスは中に入ると、辺りを見回した。
中は薄暗く、辺りは何もないようだ。
中に入ったのはいいけど、なんだか寒くなってきた。
雨に濡れたせいかもしれない。
しばらくの間、ここで休ませてもらえればいいけど・・・・・。
アルマスがそう思っていると、再びお腹がグルグルと鳴った。
お腹空いたな・・・・・・。
アルマスは長い間森の中を歩きまわっていたせいか、その場にしゃがみこんでしまった。
それを見たホーパスは声を上げた。
「アルマス!」
ホーパスが心配そうな顔でアルマスのところへ来ると、アルマスは顔を上げた。
「ホーパス・・・・・・」
「大丈夫?アルマス」
「ずっと森の中を歩いてたから疲れたんだ。ここで休めば大丈夫だよ」
「お腹空いてるんでしょう?食べ物がないか探してくるよ」
ホーパスはアルマスに背を向けると、食べ物を探しにその場から離れて行った。
しばらくするとホーパスが戻ってきた。
「この奥にもうひとつ部屋があるよ。そこならゆっくり休めると思う」
「そうなんだ・・・・誰かこの家の人はいた?」
「ううん。誰もいなかった」
ホーパスが首を振って答えると、アルマスはゆっくりと立ち上がりながら
「家の人が帰ってきたら、休ませてもらえるか頼もう」
「うん、隣の部屋に行こう。こっちだよ」
ホーパスが移動を始めると、アルマスもホーパスの後を追って歩き始めた。
2人が隣の部屋に入ると、かすかな灯りがついているのが見えた。
アルマスが灯りがついている方を見てみると、部屋の中央には大きな像のようなものが置いてあるのが見える。
像の両端には提灯があり、その灯りがついていた。
アルマスが提灯を見ていると、ホーパスの声が聞こえてきた。
「このお皿の上に何か食べ物があるよ」
アルマスがホーパスの方を向くと、像の前の左右両側に大きなお皿が置いてある。
お皿の上には穀物のようなものがあった。
「黙って持って行ったらだめだよ。家の人が戻ってきてからじゃないと」
ホーパスがお皿の上の食べ物を見ていると、アルマスはそう注意をした。
するとホーパスは心配そうな表情で
「でもアルマス、お腹空いてるんじゃないの?せっかく目の前にあるのに」
「でも黙って食べたら泥棒になるだろう?家の人が戻ってきてからでいいよ・・・・・」
アルマスはホーパスにそう言った途端、その場にゆっくりと倒れ込んだ。
「アルマス!」
床に倒れたアルマスを見たホーパスはアルマスに近づいた。
「アルマス、大丈夫?アルマス!」
「・・・・大丈夫。少しふらついただけだよ」
アルマスの名前を何度も呼ぶホーパスに、アルマスは微笑みながら言った。
「長い間歩いて疲れたんだ。それに寒くて・・・・・・少し休みたい」
「雨に濡れたからだね。本当に大丈夫なの?食べなくていいの?」
「うん・・・・・少し休みたい。眠りたいんだ・・・・」
「アルマス・・・・」
アルマスが目を閉じると、そのまま眠ってしまったのか返事はなかった。
ホーパスは心配そうにアルマスを見ていたが、しばらくするとアルマスの横に移動した。
そして大きくあくびをすると、両目を閉じて眠ってしまった。
2人が眠ってしばらくすると、像の前に置いてある花束から、黄色い炎が静かに点いた。