出発の日 production notes
「星の鏡」シリーズの「港町ポルト」編。
今回で最後となります。
今回は10月の連休、世界最大級?の台風が来るさなかでの
創作活動になりました。
お昼から翌日の夜中まで、長時間の執筆時間となりましたが
休憩を挟みながら、台風の雨風の様子を見ながら、友人と連絡を取りながらだったので
実際の執筆時間はそれほどでもなかったと思います。
いつもよりゆっくりしながら、いろいろと考えながら書きました。
今回の曲も、TINÖRKS(ティノークス)の曲を使っています。
今回は「僕らが海へ渡る日」
ピアノだけの7分超のとても長い曲です。
ピアノだけで表現するのって、とても難しいと思うのですが
ピアノの音の強弱、速さ、間でいろんな場面や人が持っている喜怒哀楽などが
浮かんできて、ポルト編の最後に使おうと前から考えていました。
この曲は全体的にゆったりした曲だと感じました。
「僕らが海へ渡る日」のタイトルにある「海」を表現しているのかなと感じました。
潮が引いて、波も小さく、静かで、穏やかな海。
その海を目的地まで船で渡って行く。
ただ、繰り返し聴いていくと、前半はゆったりしているのだけど、
後半から最後までは音が強く、多少激しめになっていて、
最後はゆっくりと、静かに終わっていく曲なのでこれを活かしたいとも思いました。
そこで最初は・・・・どうするか迷ったのですが
アウロラが森へ出発する当日にしました。
アウロラが森へ行くことを決めた日から、貨物船手配に時間がかかって
出発の日までの間のことを書こうか迷ったのですが、文字数の無駄になるので
それは数行で説明したほうがいいかなと思って、出発当日の日からの書き出しにしました。
そして、船内の掃除を終えて、海を眺めているトイヴォに
ヘンリックが声をかけてきたところで、今まで疑問に思っていた様々なことが
明らかになります。
これはいつもなら別プロットを書いて整理してから書くのですが
今回は頭の中で整理できていたのか、それとも適度な休憩?を入れていたため
自然と整理できていたのか分かりませんが、すんなりと書けました。
今回は曲の間があったので、前半はトイヴォとヘンリックの船内での会話
後半は貨物船乗り場で起こるさまざまな出来事と分けて書くことができました。
後半はいろんなことを起こさないといけない。
今まで影が薄かったヴァロもここで活躍させないといけないし
ポルトの町に暗い影を落としていた張本人をどうやって登場させるか。
その張本人の名前はつけたほうがいいのか?
さらにはヘンリックの漁師仲間は名前をつけたほうがいいのかまで
いろんなことを考えながら、書いていきました。
結果、一番活躍したのはヘンリックだったのかもしれませんね。
ヘンリックは漁師で多少気性が荒く、大雑把だけど情が厚い。
そういうキャラにしたかったので、今回書いていて一番書きやすかったです。
勝手に動いてくれてるって感じで。
一番苦労したのが、やっぱり最後の方になるのですが
青い石をどのタイミングで使うのかでした。
今まで青い石の存在を何気に書いてきましたが、そろそろ威力をというか
どういうものなのかを書かないと、この先影が薄くなるんじゃないかと思いました。
そこで誘拐犯のターゲットをアウロラではなく、トイヴォに向けることで
青い石の存在をアピールできるだろうと思いました。
その前に、アウロラを乗せた船は乗り場から離れているので、結局は
トイヴォを襲うしかなかったんですが。
そこが決まったことで、誘拐犯の人物像や、ヴァロの登場、ヘンリックの登場の
タイミング、さらにはオリヴィアの登場タイミングを決めていきました。
今回、アウロラはちょっとおとなしめでしたけどね。
誘拐犯が逮捕されたことで(その後すぐ自決されてしまうのですが)
誘拐事件は一応、解決された形にはなるのですが、誘拐犯の最後の言葉は
気になりますよね。それはまたしばらくしてから出てくることになります。
今回のタイトル「出発の日」。
いつものように、話が書き終わってからつけました。
今回の曲「僕らが海を渡る日」のままにしようかなとも考えましたが
「僕らが」というのがまず違和感がありました。
「僕ら」というと、トイヴォも入ってしまうので、これは違うと思ったのです。
アウロラとオリヴィアは海を渡って森へ行くのですが
トイヴォは同じ日に次の町へ出ていくということから
それぞれが違うところへ旅立っていくということで「出発の日」にしました。
ポルトを離れ、森の入口でクジラを見たことがないトイヴォのために
クジラに変身したヴァロと話をしているところで
今回は終わってしまいましたが、次回はまた新しい章へと続きます。
次回はまだ少ししか考えてないのですが、大雑把にはこんな感じなのかなと
考えているので(考えてるのかいないのか、どっちなんだか・・・)
次回もまたお楽しみに。