先にあるもの production notes
前回でちょうど1年を過ぎたこの「星の鏡」シリーズ。
今回は13回目です。
最近時が経つのが早いなと感じています。
それはもう歳だから?っていうのもありますが(^^::
前回で1年経ったっていう実感はないですし、自分の歳も何歳だったか
忘れているくらいなんで・・・・・。
最近1か月経つのも早いですね。
ついこの間、前作書いたばかりだろうって思っていたら、もう月が変わっていて
もうそろそろその月も終わろうとしているのですからね(^^::
今回もTINÖRKS(ティノークス)の曲を使っています。
今回は彼らの最新作の曲から「Lic-Li」(陸離)です。
陸離っていう言葉は初めて聞きましたが、意味は「美しく光りきらめくさま」
「複雑に入りまじるさま」と大辞林に書かれています。
この曲は「美しく光りきらめくさま」の方の意味をイメージした曲だそうです。
この曲の素晴らしいところは、昨年新加入したメンバーのヴァイオリンの音。
今までは弦楽器はチェロだけだったのですが、やっぱりヴァイオリンが入ると違いますね。
もちろん、チェロの音もこの曲のベースを支えている感じがしますし
ギターもこの曲に色彩を与えている感じですし
カリンバやシンセの音もベース部分を支えていて、景色が見えてくる感じですし
今回ヴォーカルをツインヴォーカルにしたのも目新しいと感じるのですが
ヴァイオリンなしではこの曲は引き立たないっていうくらい素晴らしい音になっています。
私が聴いた曲の感想はいいとして
今回これを聴いて、まっさきに思いついたのは
今まではトイヴォとヴァロの2人旅を続けていたのですが
今回新しい仲間と一緒に旅立ちをしていくというシーンが浮かびました。
そして、天気も晴れたいい天気ではなく、ちょっともやもやした感じの霧雨っていうのも
同時に浮かんできました。
今回、ラストシーンがまっさきに浮かんできたわけです。
先にラストシーンが浮かんできてしまうと、それまでどうやってつなぐんだっていう疑問が
自然と出てくるわけで・・・・・。
それと、新しい仲間とどんな経緯で一緒に旅立つことにするのか。
その新しい仲間は誰にするのか。
いろんな疑問が出てきたわけです。
そこで前回を思い出して欲しいのですが
前回のラストシーンは壁画と完成させた途端、青白い光が出てきて
トイヴォが持っている青い石からも光が出てきて・・・・・ってところで終わってますよね。
実は今回のラストシーンは、前回より前に既に考えていて
前回はそれになんとかつなげようとすべく考えた話なんです。
普通は順番に考えていくものだと思うのですが、今回は逆算して考えてるんです。
前回使った曲「Tape」も「Lic-Li」につながる曲がないかっていうことで後で思いついたってことです。
前回は前回で、同時にいろんな出来事も入れて行ったので、それはとても大変でしたが(^^::
という裏話をしたところで、今回の話をしたいと思います。
今回の話のプロットは上記のことを考えながらなので、結構今回も時間かかるのかなと思ってましたが
意外とあっさり終わりました。
プロットがあっさり終わる場合、たいていの確立で本編を作るのに時間かかるんですよね。
プロットではわずか2行が、本編では50倍の100行超えとか・・・今回もそんなのがありました。
私が書くプロットはたいてい大雑把なので、いざ書く時に苦労してるんですね。
いい加減、丁寧なプロットを作りたいとは思っているのですが・・・・・。
今回は前半はエリアスの記憶が戻るまでの苦悩を描いて
中盤は記憶が戻って、セントアルベスクが今、どんな状況下にいるのか。
後半はオリヴィアと和尚からの手紙でのアドバイスをもらって、4人が旅立つという感じで
プロットを作って、話を作り上げました。
前半はエリアスがメインなので、記憶をどうやって取り戻していくのかが課題でした。
前回青白い光が出てきて、2階に向かっていくところで終わっているのは
その時既にエリアスがその光を浴びて、記憶を取り戻すっていう想定をしていたからです。
光を浴びる場所がバルコニーっていうのも自然の流れかなと思いました。
光を浴びて、記憶を取り戻すまでの経緯はプロット作成時点では全く考えてなくて
書きながら考えて書いて行きました。ほとんど即興で思いついたものです。
記憶を思い出すっていうのはある程度のショックを与えないといけないと考えていたので
エリアスの過去を小さい頃から順に追っていく。
そして最後にあのパーティで起こったことをエリアスが第三者側から見ることで
ある程度ショックを受けて、そこから一気に記憶が蘇ってくるという設定にしました。
最初のシーンで出てくる女の子は、小さい頃のソフィア。
次のシーンはソフィアが住んでいる城で、今のソフィアとセントアルベスク王と王女。
その次は・・・・もう分かると思いますが、闇の魔王になる前のヴィルホ。
そして最後は・・・・・もう分かると思うので書きません(^^::
苦労したのはエリアスの苦悩をどうやって表現しようかっていうところ。
書いている最中は上記のシーンに集中しているので、エリアスの苦悩部分は話ができた後
確認しながら付け加えていきました。
「Lic-Li」の曲間のスエディッシュ・ヴォイス。
この部分を聴いていたら、エリアスが光の中で、次々と変わって行く過去のシーンが
浮かんできたっていうのもありました。
エリアスの記憶が戻り、部屋の中での4人の話のやりとり。
これもプロットを確認しながら、自分で混乱しないように話を整理しながら
書いていくのがちょっと苦労したかな。
課題は、トイヴォをどうやって伝説の剣探しに参加させるか。
ソフィアに頼まれて、エリアスの記憶を戻したので、本来の目的である母親探しをしたいのに
セントアルベスクの状況にだんだん巻き込まれて、さらにトイヴォが青い石を持っているために
伝説の青い石ではないかとみんなに言われて、半ば仕方なく伝説の剣も探すことになるっていう
なんとももどかしい状況・・・・・。
トイヴォも素直に断ればいいんですけど、引き受けてしまうのがトイヴォの優しいところなんですよね。
ソフィアの説得にうまく飲み込まれてしまった感があって、それはそれでよかったと思います。
それでも伝説の剣のありかが分からなくて、最初から行き詰ってしまうのですが
首尾よくオリヴィアからの手紙がとりあえずの打開策?となって、4人は旅立っていきます。
オリヴィアの手紙の内容も、その時に即興で考えました。
和尚様の伝言も書いていて、自然と出てきた言葉です。
これからいろんな困難が待っているけれども、逃げずに受け入れること。
心を強く持っていれば、どんな困難も自分で解決できる。
仲間がいれば、迷わずに相談して心を通わせること。
力を合わせれば、ひとつの大きな力となって、どんな困難も切り開くことができる。
そんな感じで和尚様の言葉で書いてみました。
ここで迷ったのが、アレクシを旅の仲間に入れるタイミングでした。
プロットを書く前から、アレクシは仲間に入れるけど、入れるタイミングをどうするか?
「いったん宿屋に戻っていいか?」ってセリフありますよね。
あえて書きませんでしたが、アレクシは食料を毎日城に持ってきているので、
大きいリュックを置きにいったん宿屋に戻ってから城に戻るのか。
それともリュックを城に置いたまま、旅立つのか。
それでちょっと悩んでましたが・・・・書いてみたら前者であっさりまとまっていました。
そんなに迷う必要なかったな(^^::
最後の最後に苦労したのが、エリアスをどうやって一緒に行かせるか。
トイヴォからエリアスに説明するかって思っていましたが、書いている流れに任せました。
まずアレクシが誘って、トイヴォが2人に説明して、最終的にエリアスが考えて
一緒に行くことになりました。
今回は即興で書いて行った部分が多くて、我ながらすごいなと思ってしまった回でした。
最後、行くかどうか迷っているエリアスの心の中を書いていて思ったのが
自分がまずできることをするっていうこと。
どんな方向に転ぶのか、もしかしたら大きく外れてしまうかもしれないけれども
とりあえずできることがあれば、まずやってみるっていうこと。
今の世界の状況下、日本では非常事態宣言が解除されましたが
まだ油断を許さない状況ですね。
自分のことは自分で守る。
そのためにできることは全てやってみる。
自分のやっていることに疑問を感じたら、身近の人や相談窓口に相談する。
決して今の状況や現実から逃げないこと。
みんなで続けていけば、大きな力となって、疫病もやがて消えていくと思っています。
明けない夜はありません。
今回のタイトルも、そんなことを思いながらつけてみました。
「先にあるもの」
皆さんの今の状況下の先にあるものは何でしょうか・・・・・。
私はこの状況が明けたら、まず、旅をしたいです(^^::
すっかり長くなってしまいましたが、この後4人はどうなっていくのでしょうか。
次回は長くなるっていう予告だけはしておきます(^^::
次回もお楽しみに。