光と闇の真実 production notes
今回22回目の「星の鏡」シリーズ。
だんだんと話が終盤に近づいてきているので、嬉しい反面寂しいです。
書いている間はとても辛いのですけれど。出来上がると嬉しいのですが・・・・。
このシリーズもあと数回で終わります。
今回は途中から最後まで戦闘シーンというか、戦闘シーンがメインになりました。
物語を書くのに、一番苦手なのが先頭シーンです。
最初の頃は、戦闘シーンを書くなんて想像すらしていませんでした。
話が進んで行くにつれて、自然とそうなってしまった訳です。
でも悪者が登場しているのですから、戦闘シーンは出るのは当然ですし
それがないと盛り上がらないし、決着もつかないわけです。
まさか話し合いで平和的解決?ってわけにもいきませんしね。
(現代の争い事はそうあっていただきたいですが)
そういうことで(どういうことだ?)今回は苦手なシーンに挑戦した回でした。
まずは戦闘シーンに関して率直な意見を書いたところで・・・・・。
今回の裏話を始めたいと思います。
まず出てきたのが、前回の終わりに書こうと思っていたヴァロとオリヴィアのシーン。
本来であれば、前回オリヴィアとヴァロがタンデリュートに移動し、エリアスに変身したヴァロが
城に入って、セントアルベスクに兵士を向けるように話し、タンデリュートの兵士達がセントアルベスクに
向かったところで終わるところでした。
ただ、それまでの話が長くなると思ったので、今回に持ってきました。
もしかしたら前回から感じている方がいらっしゃると思いますが
オリヴィアとヴァロがまるで前から知っているかのように話しているなと思っていると思います。
でなければヴァロにエリアスに変身してなんて無茶ぶりはしないだろうと。
それは・・・・・まだここでは言えませんので、しばらくの間もやもやしててください(^^::
この後からエリアスとヴィルホの戦闘シーンになっていく訳ですが
同時に礼拝堂でのソフィア達、塔の前でのオリヴィアと黒い制服の男達の戦闘シーンを挟んで
進んで行く形を取りました。
どのタイミングでどのように話が進んでいくのか。
これは今回、戦闘シーンの次に大切にしていたところでもあります。
ヴィルホがエリアスに対し、どんな攻撃を仕掛けていくのか?
それも頭が痛かったですね。
特に前半のヴィルホが黒い光をエリアスに向けて攻撃していくところは、書いている途中で煮詰まり
久しぶりに数日間止めました。
黒い光に対し、伝説の剣から放っている光をぶつけていく形にしたのは、全部書き終わってから。
それは今回、使っている曲を聴いているうちに思いつきました。
今回は特に、曲にとても助けられました。
今回の戦闘シーンは何度も煮詰まり、手が止まってしまったことがあったのですが
曲を聴くとふっと頭にネタが降りてきて、すぐに再開したこともありました。
その曲は後で書きます。
今回、ヴィルホがなぜ悪者になってしまったのか。
どんな経緯でそうなってしまったのかが明らかになる回でもありました。
本当は謎のまま終わるっていう展開もあったのですが、そうすると後でアナザーストーリーを書かねばならなく
なるかもしれないので・・・・・(^^:: それは避けたいなと思いました。
でも、100%全部書いてしまうのもどうだろうとも思っていました。
なので、少しミステリアスなところも入れてあります。
それはヴィルホの心の声ですね。
これはヴィルホの本心なのか、それともエリアスを油断させようとしてわざとしているのか。
それは・・・・・これについてもしばらくの間、もやもやしててください。
もうひとつ悩んだのが、ソフィアが吹く笛の音。
最初はセントアルベスク国歌。これはかなり前に出てきたので、使おうと思っていましたが
2度目はどうしよう?と考えました。
考えた末、思いついたのがエリアスの生まれた祖国であるタンデリュート国歌。
皆さん、海外に長い間行っていて、久しぶりに祖国に帰ってきて、自国の国歌を聴くと
懐かしいとか、帰ってきたなとか思いませんか?
そうでなくても、自分の出身校が甲子園の高校野球大会とかで勝利して、校歌が流れてきたら
「おお・・・・・・」って思いませんか?
そんな自国や出身校の歌を聴いて、力になることありませんか?
今回それを使ったのが、エリアスの自国国歌であるタンデリュート国歌です。
それをセントアルベスクの王女であるソフィアが演奏するという意外さ。
これは同盟国だからでもありますが、お互いがお互いを思う気持ちをこのシーンで表しています。
普通、他国が自国の国歌なんて演奏しないですよね。
オリンピックや国際大会でない限り。
ソフィアがエリアスに向けて演奏したタンデリュート国歌。
それを聴いたエリアスが今まで以上に力を発揮していく。
お互いを思う気持ちが力になって、闇の魔王やヴィルホに打ち勝っていく。
思いやりや愛の力が、世界の闇を切り開いて光を差し込んでいくのです。
今、世界を恐怖に陥れている新型コロナウイルス。
でも1年経って、まだ分からないこともありますが、分かってきたこともありますよね。
それは世界の研究者達や医療従事者達がそのウイルスを研究し、調査して分かってきたこと。
そしてそれを世界に発信してきたからだと思います。
それは、早くこのウイルスを終息させたいという思いもあるでしょう。
何よりも、これ以上死者を出したくないという思いもあるのではないでしょうか。
一方で、このウイルスにより私たちの生活が変わりました。
人との接触が絶たれ、外出もあまりできなくなり、イベントも中止となり参加できなくなりました。
また、不幸にも感染した人や、医療従事者に対して、未だに差別という問題があります。
いつ自分が感染するのかも分からないのに、あたかも感染者を悪者のように扱う。
そんなことをする人は感染に対する恐怖が大きく、心が弱い人だと思いますが、同時に心が狭いと思います。
私がこんなことを言える立場ではありませんが、人間としてできていない人だと思います。
もし友人や家族が感染したとして、回復した時に「大変だったね」って言えるのでしょうか?
そういう人は言えないと思います。
もし身近な人が感染し、完治した後に優しい言葉をかけてあげる。
その優しい一言だけでも、その人は救われると思います。
そんな優しい人達ばかりではないと思いますが、将来このウイルスを終息させるためには
差別しない、差別をさせない優しい社会になっていかないと難しいのではないかと思います。
話がそれてしまいました。
ここで今回の曲の話をします。
今回もTINÖRKS(ティノークス)の曲を使っています。
今回のこの曲を使うまでは、正直どの曲にしようかと思っていました。
というのも、前回と今回は元々は1回で書こうと思っていた話。
それが長くなりそうだったので、前回と今回の2回に分けたのです。
前回の曲は「月のまつげ」でしたね。
今回もそれを・・・・・と思っていましたが、あまりにもかけ離れ過ぎていて無理がある。
どうしようと思っていたところに、今年1月にリリースされた「森のはじまり」のことを思い出しました。
正直、このシリーズでは使うことはないと思っていました。
でも、聴いてみると1曲だけぴったりはまる曲があったのです。
それが「Kaamos」という曲。
TINÖRKSにしては珍しくダークなイメージの曲。
最初、焚き木で木がパチパチ焼けている音が聴こえ、それから曲が始まっていきます。
最初は暗いイメージです。ヴァイオリンの音が悲しいほどに美し過ぎる。
そこにラップハープの音が重なり、ラップハープの音が光を表しているかのよう。
途中ヴォーカルが入って、しばらくするとダークな音が入ってきて・・・・という感じ。
初めて聴いた時はあまりにも良すぎて「やばい」と思いました(^^::
この曲を聴いて、後半ヴィルホが真実を話し始めるところから、最後のエリアスがまばゆい光を浴びながら
伝説の剣をヴィルホに向け、大声を上げながら向かって行くというシーンが徐々に浮かんできました。
さっき書いた、黒い光のシーンもネタが切れた時、この曲を繰り返し聴いてネタが降りてきて助かりました。
今回ほど、曲に助けられた回はないんじゃないかと思います。
それほどこの曲はぴったりはまったのです。
そして今回、タイトルもちょっと考えました。
「闇の中の光」は前回使っているし、「闇」という言葉は入れたかったのです。
あと「光」も。
どうするか散々考えたあげく、今回の「光と闇の真実」にしました。
「光」の真実というのは、伝説の剣の真の力のこと。それは女王様がソフィアに話していましたよね。
「闇」の真実はまさしくヴィルホと闇の魔王のことです。
色々と書いてきましたが、まだまだこの話は終わりません。
トイヴォとヴァロが黒いドラゴンを追って行きました。
2人はドラゴンに追いつけるのでしょうか。
そして、セントアルベスクはどうなるのでしょうか・・・・・・・。
それは次回のお楽しみです。