極夜 production notes




今回、久しぶりの短編を書きました。
最後に短編を書いたのが昨年の8月なので半年振りですね。
でも、半年しか経ってないのか・・・・(^^::
もっと時間経ってるのかと思ったけど。



本来であれば、「星の鏡」シリーズに集中したいところだったのですが
今年に入って思わぬ番狂わせがありました。



それはTINÖRKS(ティノークス)の新しいアルバムが今年のお正月に出たこと。
アルバムが出る前に少しづつ曲はyoutubeで出ていたので聴いていたのですが
彼等は少しづつ曲を作って溜めていたんですね。



それで聴いてみたところ、全体的に前作品よりも音がよくて
曲も前回よりも格段に違って、なんか違う世界を見せつけられたという感じがしました。



その中でもひと際違うと思ったのが「Kaamos」という曲でした。
初めて聴いた時、「これはやばい」と思いました(^^::
感想は今回の「星の鏡」シリーズのproduction notesに書いているのでここでは書きませんが
この曲であることをやってみようと思いました。



というのもこの曲を聴いたとたん、ネタが降りてきたのです。
そのネタが今回の短編「極夜」です。
今回、「星の鏡」シリーズでも同じ曲を使っていますが、こちらのネタは短編よりもずっと後で
作ったものです。



同じ月で、シリーズものと短編を同じ曲で書いたらどうなるか?
そんな半分無茶ぶりなことをやってみました。



短編は来月でもよかったんですが、そうなると短編の内容が冬なので
3月だとどうしても遅いのではないかと思い、今月にしました。
シリーズ物が今回、終盤に近いということで内容がそれなりに盛りだくさんでしたので
大丈夫かなと不安でしたが、無事に終わってよかったです。



今回のタイトル「極夜」。
今回使っている曲「Kaamos」も意味は同じです。
「極夜」は、日中でも太陽が沈んだ状態が続く現象のことを言います。
南極圏や北極圏で起こる現象です。



今回の曲「Kaamos」はTINÖRKSのサイトで今回のアルバムの曲解説を読んで欲しいのですが
彼等の今までの曲とは違って、ダークな曲です。
暗闇の中から光を探し、そこから希望を導き出してゆく。そんなイメージ。



昨年からのコロナ禍で閉塞感が漂っている昨今ですが
そんな中から、小さな光を、光という希望を自分達で見つけて前に進んで行く。
曲を聴いていて、そんなことを感じました。



今回の短編では、主人公の女性ヨウコが愛する人を突然亡くしたことで
心は絶望という闇に包まれてしまいます。
そして自分もあの世に行こうと、自殺する場所を探し山の頂上から自ら飛び降りるという選択をします。
そして山に入り、野犬に襲われそうになったところをある男性に助けられ、男性の話から山に棲む白いオオカミのことを聞き
白いオオカミを実際に見たことで、ヨウコの運命が変わっていくという話です。



ここで出てくる白いオオカミは、ヨウコにとって光であり、希望なのです。
白いオオカミを見て、オオカミに惹きつけられたことによって、ヨウコは山に通うようになります。
白いオオカミをもう一度見たい。写真を撮りたい。
やりたいことを見つけたヨウコは心の闇を取り払って、前に進んでいるのです。



どうして白いオオカミになったのか?
山で普通に目にすることのできる動物では、ヨウコの心の闇を取り払うことにはならないですし
どうせなら、滅多に見かけることができない動物でないと話にならないですし。
それで、自然と白いオオカミになりました。
曲を聴いて短編のプロットを書いているうちに、いつの間にか白いオオカミになっていた、が正直なところです。



中盤に出てくる男性の話に、白いオオカミに初めて会った話が出てきますが、それも自然と出てきました。
今回もこの「Kaamos」という曲に助けられたという感じです。



今回の短編は、なるべく短めに済ませようと意識しながら書きましたが
いかがでしたでしょうか。
本当であればもっと細かく書きたかった部分もあったのですが、それだと長くなってしまうので
今回は淡々と進めようと努力しました。



閉塞感が漂っている昨今ですが、自分のやりたいことがある方は躊躇せずに
どんどんやってみてはいかがでしょうか。
自分から前へ進んでみる。その行動が意外といい方向に行くこともあるかもしれません。
でも、無理はしないで、自分のペースで。でないと長くは続きませんから。



次回はまた「星の鏡」シリーズに戻りたいと思います。
ここまでご覧いただき、ありがとうございました。
よろしかったらまた次回もお付き合いください。