消えゆく闇 production notes
今回23回目の「星の鏡」シリーズです。
最終回まであと数回になってきました。
毎回書いてますが、そろそろ終わるっていう解放感と終わったらどうしようという寂しさが
入り混じって複雑な感じです。
あと数回ですが、最後までお付き合いしていただけると幸いです。
今回はいよいよ大詰めのところでしたね。
前回は黒いドラゴンの後をトイヴォとヴァロが追いかけていくところで終わりでした。
今回はついに闇の魔王が姿を現し、トイヴォとヴァロの2人が戦う場面を中心とした回でした。
戦いとは言っても、ほとんどが話し合いで終わりましたけど(^^::
というのも、激しい戦いは最初から考えていなかったのです。
前回、ヴィルホとエリアスの戦闘シーンでほとんど疲れ切ってしまったので。
それは冗談ですが、闇の魔王との戦いのシーンは、話を書く前から構想にはありませんでした。
構想時から、戦闘ではなくて、話し合い中心にしようと考えていました。
戦闘シーンを入れてもよかったのですが、戦ったところで闇の魔王の魔力は圧倒的ですし
ヴァロとトイヴォが持っている石の力と拮抗して、途中で戦闘を止めて話し合いするとなると
それだけまた話が長くなるので、今回はなるべく短くしようという思いもあって
最初から話し合いでという形にしました。
闇の魔王が黒猫という仮の姿でトイヴォとヴァロの前に姿を現したというのも
闇の魔王が戦うつもりはないというのを2人に示すと同時に、親しみのある猫の姿なら
2人もそれほど警戒心なく話ができるだろうという、ある意味戦略的な?試みだったのかもしれません。
仮の姿を黒猫にしようというのも、構想前から決めていました。
黒猫ってなんだか見ていて、ミステリアスな雰囲気がありませんか?
黒猫でなくても、猫ってなんだか見ていて癒されるし、猫のきまぐれなところも
なんだかなあと思いつつ、気楽でいいなあとも思ったりします。
次に生まれ変わるとしたら猫になりたい・・・・とまでは思いませんが
なんだか癒されます。
闇の魔王と2人が話をしている間に、セントアルベスク城の様子を挟んでいます。
まずはエリアスとヴィルホの戦闘後のシーンですね。
このシーンも構想前からどうしようかとかなり悩んだところでもあります。
ヴィルホが息を吹き返し、エリアスがそれを見てどうするかっていう場面はかなり悩みました。
エリアスは戦闘中、ヴィルホが一度正気に戻って油断したところで傷を負っているので
ヴィルホが元に戻っても、警戒してしまうんですよね。
それにヴィルホにエリアスのことが嫌いだとも言われてるので、それで素直に喜べない。
逆にそれが罠だと思って、冷たく当たってしまうんですね。
でも結局は、ソフィアの姿を見たところでヴィルホはエリアスに対する嫉妬心から
心に闇が生まれてしまって、また闇に憑りつかれてしまうんです。
せっかく闇の魔王から解放されたのに、今度は自分の心に元々あった闇のせいで
また闇に憑りつかれてしまうんです。
それほどヴィルホのソフィアに対する愛は深かったんですが、最後まで結果を出すことなく
穴に落ちて最期を遂げてしまうんです。
ヴィルホという人は悪人ではあるのですが、可哀想な人なのです・・・・・・。
ヴィルホに関しては、前々回だったかな?もう少し登場回数を多くしてセントアルベスク城での
闇の魔王とのやり取りとか、ヴィルホの心情とか、過去の事とかを書きたかったと書きましたが
その辺りは本当に心残りというか、少し後悔していますね。
だからってアナザーストーリーは書くつもりはありませんが(^^::
ヴィルホと闇の魔王との出会いは、闇の魔王に語らせていますので、一応それは回収したって
いうことで・・・・・・・。
回収、といえば今回は回収のために過去の回を読み直す作業もありました。
後半で闇の魔王がトイヴォと2回ほど会っていると話していますが
その2回をどうしようかと、ポルト編を読み直しました。
1回はセントアルベスクに入る前に列車が止まった時、アレクシにせかされてトイヴォとヴァロが
森の中に入った時。それはすぐに決まってました。
ポルト編を読み返してみると、アウロラを森の和尚のところに行かせるために船着き場に行くシーンが
ありましたが、そこで黒ずくめの男にトイヴォが襲われたシーンがありました。
なら、その時にしようと、あっさり決まりました。
後半、闇の魔王とトイヴォの会話の展開も、どうするか迷いました。
どうやってラストシーンまで持っていくか。
構想の時点で既にラストシーンは決めていましたので、どうやってそこまで持っていくかが
ある意味今回の課題でもありました。
プロットも書き始めは、エリアスとヴィルホのシーンをどうするかがまず頭にあったので
それをメインにしていましたが、それが終わると今度は闇の魔王の真の目的というか
闇の魔王は何が望みなのだろう、そしてトイヴォとヴァロの2人との話を進めていくうちに
今度はトイヴォを利用して世界を征服しようという闇の魔王の企みというか、目的を思いつきました。
もちろんトイヴォは闇の魔王の策略には乗りません。
そこでトイヴォの弱点というか、弱いところでもある母親の事を話に出して
なんとかトイヴォを説得させようとしますが、逆にそれがトイヴォの怒りに触れてしまうんですね。
そこで闇の魔王はついに力ずくで・・・・ということでぷち戦闘シーンになります(^^::
Twitterで書いたぷち戦闘シーンとはこのことです。
ぷち戦闘シーンの前に、再びセントアルベスク城でのオリヴィアのシーンを挟んでいます。
ニイロ達がかくまっていた女性達を救出するシーンです。
これはプロット構成時にはなかったのですが、次回の終盤編につながる重要なシーンになるので
これはどこかに入れないとと思っていました。
囚われていた女性達の中に、アウロラの母親を入れたというのも、次回からの話の展開に重要な
人物になりますのでね・・・・・・・。
普段は男性の言葉で話をしているオリヴィアも、この時ばかりは元の女性に戻ってましたね。
その後は闇の魔王とトイヴォ、ヴァロとのぷち戦闘シーン、そしてラストシーンにつながって
いくわけですが、これに関してはプロットはないので、流れに任せて書いていったという感じですね。
この辺りは平日の限られた時間で書いていったので、よく集中して書けたなと思います。
戦闘シーンからラストシーンまで、ヴァロの体の色が3回ほど変わっていますが
これは・・・・最後の回までもやもやしててください(^^::
ということで思いつくままに書いてきましたが、長くなってしまいました。
今回の曲もTINÖRKS(ティノークス)の曲を使っています。
今回は曲のイメージというよりも歌詞からこの曲にしようと決めました。
「Forest and Glaciers」
「森と氷河」という曲になります。
今回歌詞から決めたっていうのは初めてです。
でも、深い意味とか思い込みはあまりなくて(すみません)
闇の魔王とトイヴォとの戦いの場所をどうするかと考えていた時に、この曲を聴いていたら
この歌詞で、死火山にしようと決めました。
オールを漕いだ 水のない世界
とめどないものはなんでしょう
roots of forest and glaciers
「水のない世界」を最初は砂漠と思い浮かべましたが
セントアルベスクは森に囲まれた街という設定にしていたので、砂漠というのは不可能だと
すぐに思い、それなら火山にしようと変えました。
しかも活火山ではなく、死んでいる死火山に。
それならトイヴォ達は普通の山だと思うし、闇の魔王にすると地底にはマグマが流れているので
そのマグマの流れを山の頂上に向ければ、火山が噴火して周辺の森はもちろん、セントアルベスクも
滅ぼすことができるということで死火山という設定にしました。
なので、最後の方で闇の魔王は地底に潜ったのです。
結局その企みも、トイヴォとヴァロが持つ石の力?で阻止されてしまったのですが・・・・・。
「オールを漕いだ 水のない世界」から砂漠の砂の中を、オールで漕いで進もうとしている人間を思い浮かべました。
水ではなくて砂の中ですから、進むはずないんですよね。
今を取り巻く世界は、まさにこんな状況ではないのかとふと思いました。
なかなか終わりが見えてこない新型コロナウイルスの恐怖。
もう1年が経ちますが、世界は未だにこの恐怖に打ち勝つことができないでいます。
海外ではロックダウンを行い、感染者数が少なくなると解除し、また増えると再度ロックダウンを行っている。
同じことを何度も繰り返しているうちに、人々は我慢の限界に達し、「もういいや」と思って外に出ていく。
そしてさらに感染者が増えていくっていうサイクルに陥っています。
これは日本も当てはまっています。
日本ではロックダウンを行ってないですが、非常事態宣言ではもう限界じゃないかと思っています。
東京では非常事態宣言解除される前から、花見だの総歓迎会だので人が密になっていましたからね。
だから感染者が再び増えるのは当然だと・・・・・・。
一度、本格的なロックダウンを行うべきじゃないかなと思っていますが、どうなんでしょうね。
また新型コロナウイルスは、人間の本性をもさらけ出したウイルスでもありますね。
前回も書きましたので短く書きますが、感染した人を犯罪者のように扱う人達が少なからずいること。
ここ数年、生きづらさを感じていましたが、このウイルスが出てきたことによってさらにそれが加速したと思います。
先日もある番組でコロナ差別について放送していましたが、感染した人が悪いわけではありません。
(まあ、中には自分の行動でという人もいるので一概にとは言えませんが)
悪いのは人ではなく、ウイルスなのです。
またこのウイルスはウイルス自身では生きられませんよね。
人から人にうつることによって生き長らえるウイルスだということ。
それは、今回の闇の魔王にも当てはめています。
それは、トイヴォとの会話でもあるように、本来ならば一瞬にして世界を滅ぼせるのに、闇の魔王は
人間が醜い本性をさらけだしながら、自分のエゴのために汚い手を使っていく。
闇の魔王はそれを利用しながら世界征服をしていく。
その方が見ていて楽しいのだと。
この新型コロナウイルスも、そんな人間達を見ながら、楽しんでいるのかもしれません。
最近はそれだけではなく、地震もまた増えてきました。
これ以上、災害が起こらないよう祈るばかりです。
話のラストの方でヴァロが「今僕にできることはこれしかないから」と祈っているシーンがありましたが
今できることを万全にして、地震や新型コロナウイルスに対応したいと思います。
今回で長かった中盤が終わりました。
次回からはいよいよ終盤に入っていきます。
次回も色々とありそうなので大変なのですが(^^::
最後までなんとかやり切って行こうと思っていますので、よろしかったら最後までお付き合いください。