継承 production notes



今回、27回目の「星の鏡」シリーズです。
ついに最終回になってしまいました。
書き始めは「いつ終わるのかな?」と思いながら書いてきましたが
終わるとなると、本当に寂しいものですね。
最初から最後まで読んでいただいた方、本当にありがとうございました。



前回、母親と再会することができたトイヴォ。
今回はその後のお話です。
書き始めた当時は、この話は予定にありませんでした。
前回書きましたが、ある曲を最後に使おうと思い、ある意味おまけ的な?お話になりました。



母親と再会後も、和尚のいる寺院へ通うトイヴォ。
まずその理由を考えることから今回は始めました。
理由は和尚に旅の内容を話すこと、寺院に行けばヴァロに会えるので、ヴァロに会うこと。
そしてトイヴォにとって大きいのが、絵を描くこと。



タハティリンナで絵を描くことが楽しいと分かったトイヴォ。
スケッチブックには今まで会った人達や行った景色の絵が描かれていましたね。
絵を描くことが好きで楽しいんです。



トイヴォのように、自分が本当に好きなことって長続きしますよね?
私は一時中断しましたが、小説を書くことが好きでずっと続いています。
書き始めたのは小学4年か5年生の頃なので、もうかなり長いですね(^^::
ただ、書くジャンルはその時によって違いました。
今はファンタジーを書いたり、短編をご覧になった方は分かるように、ラブストーリーや児童小説も書いたりします。
学生の頃はずっと推理小説を書いていました。
好きこそものの上手なれっていう言葉がありますが、私は成長できているのでしょうか(^^::



少し横道にそれましたが、先に進みます。
ご神木のスケッチを見ていると、鹿らしき動物にトイヴォが出会い、和尚を探していると
和尚の部屋らしき場所で、ある写真を見ます。
若い頃の和尚やユリウス、カレヴィが写っている写真ですが、これは実はこの話を書く前から考えていました。
このシリーズを書いているうちに、最後の話を変えるかもしれないと思った時に、それなら今から少しづつ
考えなくてはならないと思い、考えたのがこの集合写真です。



勘の鋭い方は、もうお分かりだと思いますが
和尚とユリウス、カレヴィは昔から知り合いだったのです。
トイヴォ達がタハティリンナに行くきっかけを作ったのは、和尚からの手紙でした。
だいぶ前の話になるので、忘れている方が多いとは思いますが(^^::
最終回で明らかにしなければならないと思い、思いついたのが集合写真だったというわけです。
ただ、和尚とユリウスはどんな関係なのか、カレヴィとはそもそもどのように出会ったのかっていう設定までは
考えていなかったので、それはまた別の話で出てくる可能性もあるかも?しれません。
カレヴィとヴァロの種族についても、もっと詳しく書きたかったのですが、それもまた機会があれば・・・。



和尚と話をしているうちに、和尚から寺院の後継者にならないかと言われたトイヴォ。
もしかしたら和尚の狙いは、最初からこれだった?のかもしれません。
トイヴォがやりたい事があるのが分かり、好きな事を優先するように進言した和尚でしたが
トイヴォを後継者にするのはあきらめてはいないかも?しれない(^^::



皆さんは好きな事ややりたい事はありますか?
ある方はそれを続けていますか?
もしかしたら事情があって、あきらめた方もいるかもしれません。
私は小さい頃は小説家になりたいと思い、話を書いては出版社主催の賞(いろんなのがありますよね)に応募してました。
結局入賞はしなかったのですが、まあ、その頃の作品を今見るとダメだろうなと思いましたけどね(^^::
今もそういうものに応募しているかというと、全くしていません。
相変わらずそういうのは応募数も多いし、今は昔とは違ってネットがあるので、自分でサイトを立ち上げて、
そこで公開した方が早いなと思いました。
それに今の時代、大ベストセラーにならない限り、小説家だけでは食べてはいけませんしね(^^::
なので、プロの小説家になるのはあきらめました。
それにプロでなくても、いい作品を書いている方は大勢いらっしゃいますから、絶対有名になるんだっていう方は
別にしても、ネットで公開して、読んでくれる方が1人でもいれば嬉しいですし、私はそれでいいと思っています。
たとえ有名にならなくても、自分の作品を発表できる場があればいい。
好きなことを続けることが大事なんだと思っています。



ここで今回の曲の話をします。
今回の曲もTINÖRKS(ティノークス)の曲を使っています。
前回、話をしましたが、本来であれば前回でこの話は終わる予定でした。
それが前回の曲よりもいい曲が出てきたので、今回はそれを使うために、追加した話となります。



今回は2曲。
「タビノエ」と「森のはじまり」です。
「タビノエ」は、2019年の10月に「タビノエ」というライブイベントがあり、TINÖRKSがこのイベントのために
作った曲です。
人生は旅だと前回も書きましたが、今まで旅をしてきた場所がやがて記憶の中で絵になっていく。
「タビノエ」というイベントは、風景が見える音楽を奏でる方々を呼んで、その方々の音楽を聴きながら
自分が浮かんでくる風景に思いを馳せるっていう趣旨(だったかな?)で行われていました。
ここ数年はコロナ禍でストップしていますが、今の状況が終息したらまた復活してやっていただきたいです。
「タビノエ」はまさに、このイベントにふさわしい曲で、現在YouTubeで公開されています。



この曲を聴いていて、この話のラストを飾るのにふさわしいと思いました。
トイヴォが和尚のいる寺院でご神木を見ている姿や、トイヴォが絵を描いている姿
そしてトイヴォが描いてきた様々なスケッチが浮かんできました。
トイヴォがタハティリンナで絵を描くことが好きになるのですが、その話を書いていた頃にはこの曲を知っていたのかな?
イベント会場でTINÖRKSの代表の方に「この曲を今書いている話の最終回に使います」と宣言していたので
トイヴォが絵を描くことが好きっていう設定にしたんですよね。
それで最終回でトイヴォの今まで旅で出会った人物や風景のスケッチにつながっていくという・・・・。



途中まで、最終回は「タビノエ」で終わりにしようと思っていたのですが
昨年夏にTINÖRKSがあるイベントで新曲を発表したのです。
それが「森のはじまり」でした。
この曲は北欧の夏至祭のために作った曲で、毎年行われている「北欧の音楽ピクニック」というイベントで
昨年TINÖRKSが参加しました。
本来であれば会場でというところでしたが、コロナ禍でネット配信で行われました。
この曲はYouTubeで公開されていますが、アレンジ違いで今年発売になったアルバム「森のはじまり」にも収録されています。



この曲を聴いて感じたのは、透明感と爽やかさ。
夏至祭が行われるのは、日本だと5月。
森の新緑に太陽の光が射し込み、新しい芽が土から出て来て、やがて大きくなって森を作っていく。
それが繰り返されて、森が長く続いていく。
聴いていくうちに、これを最後に持ってきた方がいいんじゃないかと思いました。



この話の最後のシーンがまさしくそれにあたります。
トイヴォのご神木のスケッチを見て、ご神木の新たな芽を見つけた和尚。
この芽は何十年もかけて大きくなり、やがてご神木になっていく。
その頃には今立っているご神木は枯れてなくなっていくだろう。
こうしたことが何度も繰り返されて、森は続いて行く。
今立っている木から、新しく生まれた芽へと継承することで、森は続いていくということで
今回のタイトル「継承」としました。



トイヴォが描いたご神木の芽のスケッチで最後にしたのは
闇の魔王が消え、森に平穏が戻りつつある中での希望という意味を込めて。
実は、映画「風の谷のナウシカ」のラストシーンを参考にしたんですけどね(^^::
どんな内容かはあえて書きませんが、まだ映画を見てない方はこの機会に見てください。



相変わらず世界はコロナ禍が続いています。
また世界では自然による災害も多くなってきています。
これは地球からのメッセージではないか?と思います。
私達、人間が好き勝手している状況に、地球が反逆しているのかもしれません。



それを証拠に、日本では毎年大雨が続いています。
必ずどこかで大きな災害が起こっています。
またこれからですが、台風も最近は大型化してきています。
これは私達が自然をないがしろにして、森の木や土を破壊して、大きな開発をしたり
車やエアコンを使ってCO2をばんばん出してきました。
結果地球温暖化になって、海水温度が上昇し、台風や線状降水帯ができ、
私達を襲うことにつながってきているのです。



コロナ禍も、私達が今まで行ってきた結果、起こるべくして起こったものだと思います。
そして自分達の都合で行動した結果、世界中に広がり、パンデミックになっているわけです。
今もそうではないでしょうか?
他にも言いたいことはありますが、あえてここでは言わないでおきます。



今後は地球に寄り添い、自然を破壊しない優しい世界になってもらいたいものです。



「星の鏡」シリーズは今回で終わりです。
全部で27回、2年3カ月にも及ぶ長期の話になりましたが、お楽しみいただけましたでしょうか。
当分は短編を書くことになりますが、また書く気になったら続編や番外編でも書いてみたいと思います。
すぐにということは、まずありませんので(^^:: これははっきり書いておきます。



ここまで読んでいただいた方、ありがとうございました。
よろしければ、また短編でもお付き合いください。
ありがとうございました。