フレームの向こう側 production notes




今回も短編です。
今回でようやく夏に書くはずだった短編も終わりになります。
やっぱりダークサイドの話に時間を割きすぎましたね・・・・・。
これでようやく[.que]さんの曲を基にした短編に集中できます。



今回はもう読んでいただいた方はお分かりですが、幽霊ものです。
夏の風物詩といえば花火、海、スイカ、風鈴、そして幽霊・・・・・(^^::
そういえば風物詩で短編あまり書いてなかったですね。
ダークサイドでは海出てますけど、ちょっとだけでしたからね。



どうしてこの話を書くことになったのかというと、この話は頭の中で溜めていた話ではありません。
ある曲を聴いていて、いきなり降りて来たというか、思いついた話になります。
正確に言うと、ライブハウスで突然降りてきた話です(^^:: 
ライブハウスで曲聴いていて話のネタが降りてきたってのも、自分では珍しいですが・・・・。



今回の曲は、中野テルヲさんの「フレーム・バッファⅡ」です。
ライブでは時々演奏している曲で、スローな曲です。
YOUTUBEに出ているかと探したのですが、なかったのでどんな曲か紹介できないのが残念ですが
この曲はアルバム「Oscillator and Spaceship」の最後に収録されています。
興味があればぜひ聴いてみてください。



この曲が6月のライブで、アンコールの最後に流れていたのですが
聴いていて、何かが浮かんで来て、その日の夜にネタができました。
中野さんの曲は聴いたことのある方は分かるのですが、ジャンルで言えばテクノポップです。
歌詞も曲によるのですが、ちょっと理解しづらいところもあって、正直、話のネタなんて浮かばないだろうと思ってました。



でも、中には「こういうことかな?」っていう歌詞の曲もあって、今回の「フレーム・バッファⅡ」も聴いていて
ネタを詰めていってプロット化したので、他の曲と比べたら理解しやすい曲なのかなと思っています。
普段は歌なしの曲で話を書くパターンが多いのですが、今回は歌詞ありの曲になります。



今回は歌詞からも話を詰めて書いているので、ここで歌詞を載せようかと思ったのですが著作権の問題があるので・・・。
歌詞を載せているサイトがありますので、「フレーム・バッファⅡ歌詞」で検索して見てください。
曲と歌詞は中野テルヲさんが書いています。



歌詞を見ていて、何度もフレームという言葉が出てきますが、歌詞上でのフレームは絵画のフレームなのかなと思いました。
フレームという言葉がひっかかっていて、最初は絵画にしようと思っていたのですが、そうするとどんな絵なのかを考えなくてはならない。
それはちょっと面倒だなと思って、写真にしました。
と言っても写真もどんな写真にするか少し迷いましたが、亡くなった妻、サオリが写っていなければならないので、プロットができてから
近所の公園で撮った写真ということにしました。



歌詞全体を見て、すれ違っていた男女がフレームを通じてようやく通じ合うようになっていくっていう感じなのかなと思いながら
今回の話のプロットを考えていきました。
話の中でのフレームは写真のフレーム。
亡くなったサオリの霊が写真の中に宿り、それに気が付いたユウイチがフレームの中に入り
サオリと限られた時間を一緒に過ごす、そして・・・・・・っていう今回の話になりました。



読んでいただいた方はお分かりだと思いますが、最後はダークサイドモードが少し入っています。
なので、この話はダークサイドモードの方に入れた方がいいんじゃないかとも思いました。
最初はユウイチとサオリが光の中に溶け込んで消えていくところで終わりにしようかと思っていたのですが、現実的ではないのと
その後どうなったのかっていうのが書いてないと、やっぱり気になるのではないかなと思って書いたのが最後の部分です。



最後はダークサイドモードで書いてますが、ダークサイドモードでは基本、曲を使わないで書くのが自分の中で前提としているので
今回はダークサイドモードの方には入れませんでした。
ある意味、ダークサイドモードとのコラボですね(^^::
まだ読んでいない方もいると思うので、今回は最後の方については書きません。ネタバレしてしまうので。



今回は出来上がるぎりぎりまで、どうするか悩みました。
幽霊ものなのですが、最初の時点ではサオリはユウイチと話をしていました。
その方が話の展開がしやすかったからです。
それでいったんは話ができたのですが、サオリはやっぱり幽霊なので、話はしない方がいいのではないか?っていう
疑問が出てきたんですよね。
でも、そうするとどうやって話を進めればいいんだろうと考えてしまって。
しばらくの間、どうするかかなり悩みました。



少しずつ考えていって、サオリは話をせずにうなづいたり、顔の表情でユウイチがそれを理解すればいいんじゃないかってことで
書いていったところ、今回の話に落ち着きました。
おかげで話の半分くらい書き直しました(^^::
過去にも幽霊ものは書いたことはあるのですが、幽霊に語らせたりしてるので、今回話をしない幽霊っていうのは初めてかな。
その方が本来の幽霊らしいといえばそうなのですが、やっぱりやりにくいですね。



他の作品というか、映画とかアニメとかの幽霊を見ると、作品によって幽霊が話をしたりしてるので
話の内容にもよるのかもしれませんが・・・・・今回はその辺りで苦戦しました。



今回のタイトルはあまり考えず、曲名が「フレーム・バッファⅡ」なのでフレームはそのまま活かしたいなと思いました。
写真のフレームを通して、死者のサオリとユウイチが写真の中の世界で再会するということで、そのまま「フレームの向こう側」にしました。



また曲も、聴いていてなんだか安らかな感じというか、厳かまではいかないですが(^^::
聴いていて不思議と落ち着く感じがしました。
今まですれ違っていたサオリとユウイチが、フレームの中の世界で理解しあって
最後に2人が太陽の光の中に溶け込んでいくっていうイメージが何回も聴いていて浮かんできました。
夏をテーマにした短編の最後にしてよかったなと思いました。
曲自体は夏をテーマにしたわけではないと思いますが(^^::



ということで夏をテーマにした4作品、いかがだったでしょうか。
来年はもうやることはないと思います(^^:: ペース的にかなりきつかったので・・・・・。



次回からは[.que]さんの曲をベースに短編を書いていきたいと思います。
ネタは少しづつできてきていますが、まだプロットができていないので今月中に書けるのか?
あまり期待はしないでお待ちください。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。