雪の日の夜に production notes




今回も[.que]さんの曲を使った短編です。
今回、どの曲を使うかかなり迷いました(^^::
というのも、まだ全曲聴いているわけではないので、正直今回手探りの状態でした。



今まではシリーズ物だったので、前回の話からそれに続くような曲を選んで、その後で話を考えていくっていうのが
決まった流れになっていたので・・・・・それに慣れてしまっていたんですよね。
今はそれぞれ違った短編を書いているので、短編書いた後、次はどうしようかって最初から考えることになるんで。
書きたいものがあれば、それでいいんでしょうけれど、それすらない時は非常に困る訳で(^^::
今回はまず曲選定から入りました。



なんとか候補を見つけて、それでやっていこうと思っていた曲があったのですが
私事で非常に辛い出来事があり、その中で[.que]さんのある曲を何気に聴いていたら
それで短編ができてしまいました(^^::
それが今回使った曲、「Nowhere」です。



この曲、[.que]さんの曲の中でも「この曲好き」っていう人が多いんです。
私もこの曲は好きな曲のひとつです。名曲だと思っています。
でも、まだ使うのは早すぎるだろうと思っていました。



聴いていると曲の美しさ、切なさに思わず泣けてきます。
同時に色んな思い出が走馬燈のように頭の中を駆け抜けていきます。
聴く時期にもよると思うのですが、今は冬の少し手前なので、こんこんと降り積もる雪のイメージも浮かびました。
過去の出来事を回想していくという感じにも受けました。



上記の事を踏まえて、書いたのが今回の短編になります。
今まで[.que]さんの曲は、どちらかといえば青春っぽい感じがしていて、若い人をメインにした話にしようと
書いてきました。それは前回、前々回の短編を見ていただいた方にはお分かりかと思います。



まず浮かんで来たのは、人嫌いの主人公、ラウル。
そしてラウルが信頼している唯一の人、召使のピエール。
舞台は森の奥にある屋敷。
吹雪の中、1人の老婆がやって来たところで話が始まります。
あとは・・・・どうなったかはもうご覧になったと思うので書きません。



今回は軽くささっと書けるだろうと思っていたのですが、そう甘くはありませんでした。
次から次へと煮詰まってしまい、時間はそうはかからなかったのですが、もうちょっといい書き方があるんじゃないか
そう思いながら書いたり消したりしながら書いていきました。



まずは主人公、ラウルの性格に苦労しました(^^::
心が冷たく、人が嫌い。でも完全には心は冷え切っていない。
最初は老婆を冷たくあしらうものの、倒れた老婆の顔を見るや、屋敷に入れてしまいます。
これはピエールにも言わせていますが、老婆の顔が亡くなったラウルの母親に似ていたから。
ラウルは母親が好きだったっていうことを書いてはいませんが、そう思わせるように書きました。
だいたい子供はみんな、父親よりは母親の方が好きですよね。



次に苦労したのはピエールとラウルの関係。
最初、ピエールは亡くなったラウルの父親の兄弟、ラウルにとっては叔父さんの設定でした。
書いているうちに、ピエールの言葉は腰が低く、終始召使いのようにラウルに対して気を使っている言い方になってしまい
それだと叔父さんじゃなくて、召使いの方がいいんじゃないかと思って変えました。



あとは書いていて、最後をどうするかっていうのが少し悩みました。
いつもだと最初より最後の方が先にできていて(^^:: 最後はこうしようと思いながら書いていくのですが
今回は最初と最後はどうしようかと思いながら書いていました。
最初の部分は一番最後に書き加えています。
老婆が屋敷のドアを叩くというのが最初でもよかったのですが、それだと唐突になるので
ラウルがどんな男で、村の人達からはどんな目で見られているのかっていう前提っていうのを最初にもってきました。



今回は童話っぽくしたかったっていうのもあります。
でも出来上がってみると、とても小さい子供が読む話ではないような気がする。
子供には難しいかな(^^::



老婆が実は仙女で、仙女が姿を消したところで終わっていますが・・・・・・。
今回、何か中途半端だなと思った方が中にはいると思います。
「Nowhere」を聴いていて、この程度の話では済まないなと書いている途中で思ってしまいました。
煮詰まってしまい、次から次へと思いついてしまい、正直収拾がつかなくなってしまったのです(^^::
思いついたことを全部書くには時間がかかるので、今回は軽く書こうと思いました。
さわり部分だけ・・・・・とっかかり部分だけという感じでしょうか。



え、じゃこの話は続くの?シリーズ化するの?というと・・・・・・。
とりあえず今回はこれで終わりです(^^::
シリーズ化するとなると、やっぱり色々考えることがあるんで時間がかかるんです。
前回のシリーズ「星の鏡」も、最初はさわり部分の短編を書いてからしばらくして書き始めたので
今回ももしかしたらしばらくしてから・・・・・ありえるかもしれませんね。
あまり期待はしないでお待ちください(^^::
とはいえ、他のミュージシャンの方の曲の短編も考えているので、実際いつになるのかは分かりませんが。



[.que]さんの曲、最近は電車内でよく聴いています。
さきほども書きましたが、青春ものに似合う曲もあれば、ホームドラマだったり、推理ものだったり
サスペンスだったり・・・・いろんなジャンルのネタが浮かんできます。
実は上記とは別に、推理・サスペンスもので書いてみようかなとも思っていて、これは数回に分けて書こうかなと思っています。
数回に分けてとなると、話の展開をどうするかっていうのが頭が痛いのですが(^^::
まだネタも何も全く考えてません。
前回のシリーズは終わるまで2年以上かかりましたから、長期間だけは避けたいです(^^::



次回はまた別の短編になる予定です。
来月は12月なので、何かと慌ただしくなるとは思いますが、何か書いていると思います。
[.que]さんの新しいアルバムも出るので、もしかしたらそこから1曲使うかもしれないですね・・・・。



今回もここまでお読みいただきありがとうございました。