「星の鏡」についての回想録(反省会)



2022年も明けて、皆さんいかがお過ごしでしょうか。
今回は昨年6月に終わった長編「星の鏡」についての回想録というか、反省会をしようと思います。
こうしてダラダラ書いていくのも面白くないので、セルフ・インタビュー形式でやらせていただきます。



「星の鏡」について、書くことになったきっかけは?



2019年の4月に、久しぶりに短編を書こうと思って、まず「星の瞬く夜に」を書いたのね。
それまでずっと書くのを休んでいたんだけど、ある出会いがきっかけでまた書くことを始めたの。



それはTINÖRKS(ティノークス)の事だよね?



そうそう。2018年だったと思うんだけど、都内であるイベントがあって。そこで彼らの音楽と出会って。
その時はそれほどでもなかったんだけど(^^:: その年の年末に掃除していたら、そのイベントのチラシが
出て来て。なんとなく気になって音楽を聴き始めたら、いつの間にかはまっていったんだよね。
それで、2019年になって会社帰りの車内で彼らの音を聴いていたら、いきなりある短編がまとまって
降りて来た。初めての事だったから、当時はかなり衝撃的だった。
それで降りて来た話をメモ程度に書き出して、そこからプロットを書いて短編にしていった。
それが「星の瞬く夜に」っていう短編。



話がまとまって降りてきたって、なんかすごい・・・。



そう。今まで曲を聴いていて、断片的な話が降りて来たっていうのはしょっちゅうだったんだけど。
例えば誰かが殺されるシーンとか、数人で食事しているシーンだけとかね。
それが1話まるまる降りてきたから、それは自分でもかなりびっくりしたよね(^^::
それで、彼らの他の曲でもやってみようかってことになった。

「星の鏡」は彼らの「天球図譜」っていう曲から思いついたんだ。
「星の瞬く夜に」はアルバム「星のピアノ」から、全3曲のうち2曲使っていたんだけど
残りの1曲でもある「天球図譜」も別の話で使いたいなと思ってて、毎日聴き続けて思いついていった。
でも、最初は短編で終わるはずだったんだけどね(^^::



そもそも1話で終わる話の予定だったんだよね。



「天球図譜」のイメージってこんな感じかなっていうのを短編にしたかったんだよね。
それで書いていったんだけど、書き終わってみたら、なんか後に続きそうだなっていう終わり方だったんだよね。
それであと1話くらい追加してもいいかなっていう気になって、それがだんだん続いていって、後に引けなくなったって
いう(^^::
書いていくんであれば、1年ぐらいはやってみようかって気になって書いていくんだけど、まさか約2年半も続くとはね。
当時は思ってなかったよね。



途中で辞めたいとは思わなかった?



うーん、それは思ったよ。ネタが出てこない時もあったしね。でも、ここまで書いたらもう後に引けないって思って。
なんとか彼らの曲を聴いて、ネタを引き出していった。



終わってみてどうだった?


最終回を書き終わった時、終わったんだなっていう達成感と、もう書けないんだなっていう寂しさがあって
なんか複雑な感じだったね。でも、続編は全く考えてないけど(^^::





「星の鏡」について、苦労したこととか、「もっとこうすればよかった」とかある?



苦労したのは、やっぱり戦闘シーンだよ。
戦闘シーンは最初の頃は全く考えてなかったんだけど、後半はだんだんと戦闘シーンが避けられない展開になって
これは厳しいなと思いながら、半ば強制的に自分を追い込む形で(^^::なんとか書いていった。
小説で戦闘シーンを書いている作品なんて、自分が持っている本にはなかったからね。
だから最初、粘土を買ってきて人形を作って動かしながら書いていこうかと思ったんだけど、それもめんどくさいなと思って
仕方なく、頭で想像しながら書いた。

出てくるモンスターのキャラにもとても苦労したね。
プロット段階だと、ただモンスターがトイヴォを襲うとしか書いてないんだけど
いざ書こうとなった時に、どんな風貌でどんな顔して、大きさはどのくらいで・・・っていうのを書かないと分からないから
それは考えながら即興で書いていったんだよね。よく考えて書いたと思うよ(^^::



モンスターのキャラは即興で考えたんだ、前から考えてたんじゃなくて?



例えば、セントアルベスクから占い師のいる集落に行く途中の洞窟で、モンスターとトイヴォが戦うんだけど
そのモンスターもほとんど即興で考えた。
ヴィルホが黒いドラゴンに変身するのもそうだし、伝説の剣がある場所にいたモンスターもほとんど即興。
伝説の剣のモンスターはやっぱり相当強くて、手ごわい相手にしないといけなかったから、かなり考えたけど
未だにあれでよかったのかなって思ってる(^^::

ヴァロが金色のドラゴンに変身するっていうのと、最後の方で魔王が黒猫に変身してトイヴォの前に現れるってのは
前から考えてた。あ、あとクジラ雲もかなり前から考えてたよ。



でも、即興ですぐに出てくるなんてすごいと思う。



それは、小さい頃から創作をやっているからね。ある事情で長い間休んでいたんだけど、再び創作を始めてできるのかなと
思っていたけど、思っていたよりあっさりと出てきたから、自分でもすごいなと思うよ。



モンスターの他に、苦労したキャラっていますか?



意外かもしれないけど、トイヴォのキャラは自分でも迷走しながら書いてたね。



え、主人公なのに?



書き始めた頃は、トイヴォは小学生の高学年くらいかなっていう設定があったんだけど
後半になるにつれて、だんだんその辺りが不透明になってきてしまって。
高校生までとはいかなくても、中学生くらいかなっていう感じで落ち着いちゃったんだよね。
でも、それにしては落ち着き過ぎてるし、あまり感情を出していないし。
子供っぽくないキャラだなと(^^::
ヴァロは逆に書きやすかったかな。トイヴォより幼い設定で書いたつもりだったから。
でも、キャラ設定はいつもそうなんだけど、あまり細かく設定しないんだよね。
だからいつも発展途上で中途半端で終わるんだけど(^^::

あ、あとヴァロについて後悔というか、反省してるのはヴァロとオリヴィアとの関係性をもっと出していけば
よかったかな・・・・・ポルト編ではヴァロは姿を消していて、オリヴィアとは直接会っていないんだけど
後半のセントアルベスク城で偶然オリヴィアに会って、元々知り合いだったってことにしてるんだけど
その辺り、ツメが甘かったなって思ってる。
でも、ポルト編で2人が会って、知り合いですよってなったら、全体的に話が違っていたかもしれないね。



他に「こうしておけばよかった」ってある?



キャラについて言えば、あとはヴィルホかな。
ヴィルホのセントアルベスク城での振る舞いについて、もうちょっと書けばよかったかなって。
セントアルベスク王も城内で策略を練って、いろいろと仕掛けるんだけど、うまくいかなかったとかね。
でも、正直そこまで考えがいかなかったよね、当時は。
でも、そこまで書いちゃうと、まだこの話終わってなかったかもしれないね(^^::



なんかヴィルホは最後まで、謎を残してというか・・・・謎のまま消えていったって感じで。



まあ、でもそこはミステリアスのままでいいんじゃない(^^::
何でも明らかにしちゃうと逆に面白くないし。



ヴィルホをメインにした続編というか、番外編は書かないの?



うーん、考えたんだけどね。あまりにもドロドロになりそうだしね(^^::
また出てくる人数やら、キャラ設定が大変だしね・・・・・・。
当分はやらないよ。



他のキャラをメインにした番外編とか・・・・・・。



うーん、それも考えてはいるんだけどね。当分は書かない。
時期が来たら書こうとは思ってるけど、今ここでは言えない。



「星の鏡」のなかで、これはよく書けたっていうところは?



やっぱりセントアルベスク城での戦闘シーンのところかな。
あれは話の中でも一番長く書いたところなんだけど。
改めて読み直してみると、読みごたえのあるところだし、いろいろな展開がある回だったしね。



確かに、所々で展開があって面白かったと思う。目まぐるしかったと思うけど面白かった。



今回登場人物が多いから、やっぱりその分展開しないとまずいかなと思ってた。
ヴィルホとエリアスの戦いはもちろんだけど、それを遠くから見ているソフィアが笛を吹く場面とか
一方でオリヴィアやヴァロ、アレクシがどうなっているのかも平行して書かないといけないなとも思ってたし、
この回は色々と苦労もしたし、その分時間もかかったけど、結果面白くなっていてよかったと思う。



でも、この回の曲は最初は決まってなかったんだよね?



そう。戦闘シーンがメインだっていうのは決まっていて、じゃTINÖRKSの曲でそれらしい曲があるのか?って
考えると、なかったんだよね。それでどうしようかって考えて、もう曲はなしでやろうかなと思ってた。
でも、その頃ちょうど新しいアルバムが出たから、ちょっと聴いてみようと思って聴いてみたら
「Kaamos」のイメージがなんとなくいいんじゃないかなってことになって、聴きながら書いていったら
うまくいったんだよね。
戦闘シーンも曲を聴いているとネタが出て来たし。「Kaamos」にはかなり助けられたんだよね。
「Kaamos」はメンバーが解説していたんだけど、闇の中に光がだんだんと射し込んでいく感じなんだけど
光が見えたかと思えば、また闇で真っ暗になる。でも再び光が射し込んできて・・・・って感じ。
それをヴィルホとエリアスの戦闘シーンで表すと同時に、ヴィルホの心の闇と光も表そうと思ったんだよね。



確か、戦闘中にヴィルホは一瞬だけど、元に戻るんだよね?
でもすぐにまた魔王に憑りつかれて・・・・・・・。



ヴィルホの心の揺れも表したかったんだよね。それをうまく表現できたのは「Kaamos」だったからだと思う。
この回だけは自信作だよね(^^::苦労した甲斐があったよ。



改めて、「星の鏡」を書いて自分的にはどうなの?満足度は。



読み直してみて、前半がやっぱりちょっと物足りないっていうか、展開があまりなかったかな。
試行錯誤で書いてたからしょうがないってのもあるんだけど。
後半は逆に、展開が多すぎて話も長くなってしまって。
読み応えはあると思うんだけど、もうちょっとバランスを考えて書けばよかったかなと思って。
でも、それを考えるとかなり長くなってたかもしれないしね。難しいよね。
それでも最後までTINÖRKSの曲だけで書けたっていうのは、今後自信になっていくと思う。






2022年になったけど、今年の目標みたいなのはある?



目標はね・・・・今[.que]さんの曲を使った短編を書いてるんだけど
始めたのが昨年の9月で、1年はやろうと思っているからまずは8月まで短編を書くことかな。
その後でまた別のアーティストさんの曲で中編を書こうかなと考えてる。



別のアーティストって、中野テルヲさんかな?



中野さんもそうだけど、TINÖRKSもそうだし、平沢進さんのもやってみたいなと思ってる。
それが落ち着いた頃に、TINÖRKSで「星の鏡」の番外編を書こうかなとも思ってるし、やりたい事いっぱいあるよ。
番外編は今年中は無理かもしれないけど(^^::



あとは何かありますか?



最近また変異株で感染者が増えてるけど、早くコロナ禍が落ち着いてくるといいね。
自分もいい加減旅行に行きたいし(^^:: 家庭の事情があってコロナが落ち着いてもできないんだけど。
日帰りでもいいから、遠くにでかけたいよね。
家の中で曲を聴いてるのもいいんだけど、外に出ていろんな場所に行くことで刺激になるし
新しいネタもできるかもしれないし。



全く知らない場所に行くのはある意味新鮮だよね。



うん、行ったことがないところに行くのもいいよね。
気分転換にもなるし、そこで何かしら出会いがあればもっといいよね。
新しい発見もあるかもしれないし。
今はネット動画とかがあるから、外に出なくても旅行気分を味わえるけど、やっぱりその場にいないと
味わえないものはあるよね。