夏のおもいで prodution notes



暑い日が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。
最近になって、異常だった暑さがほんの少しだけ落ち着いてきたような気がします。
でも、来月は残暑ですよね(^^:: また暑くなるのかな。



今回は曲の紹介を先にしたいと思います。
今回で[.que]さんの曲で短編を書くのはとりあえず最後ということで
何の曲にしようかかなり考えました。
[.que]さんの曲は名曲ばかりで、書きたい曲は色々あったのですが
頭の中で「これは長編用にしたい」「これはサスペンス物で書きたい」と選別していて
長編を書くとなると時間がかかるので、長編用の曲は今回は対象外としました。
いつになるのかは全く分かりませんが、いつかは[.que]さんの曲で長編を書く予定です。



それでやっぱり最新の曲の方がいいだろうということで、少し前に出た「sun」にしようかと思っていましたが
その後すぐにまた新曲が出ました(^^::
「Sparkle」という曲です。
聴いてみると夏の風物詩というか、田舎の原風景や夜空に広がる花火、そして線香花火をしている子供が浮かびました。
1回聴いただけで風景が鮮明に浮かぶというのは[.que]さんの曲ではこれが初めてだったので、衝撃でした。
それで「sun」をあきらめて、「Sparkle」で今回書いてみようということになりました。
「sun」は・・・・サスペンスか刑事ものにしようかな(^^::



今回のタイトル「夏のおもいで」は、[.que]さんが「Sparkle」について「大切な夏の思い出を曲にしました」と
Twitterかインスタに書いていたので、それを使わせていただきました。
「思い出」を「おもいで」にしたのはひらがなにした方がなんとなく味があっていいかなという(^^::
主人公は子供なので、ひらがなの方がいいのかなとも思いました。



今回の話ですが、主人公ハルトが夏休みにおじいちゃんの家に行って、そこで繰り広げられる出来事と
家に帰ってきてからのおじいさんとの別れ、そしてその後を書いたホームドラマです。
児童小説を書くつもりが、書いてみたらホームドラマっぽくなっていました。
この話はハルトが不思議な夢を見るところから始まるので、ある意味怖い話でもありますが
今回ダークサイドな部分は全くありません(^^::
ただ子供が田舎町に行っておじいさんのところで夏休みを楽しく過ごしたっていう話にはしたくは
なかったっていうのはありました。



「Sparkle」で短編を書こうと決めた時に、yahooのある記事のコメント欄をたまたま見ていました。
その中に、おじいさんが亡くなる夢を見て、実際に会いに行ったのだけれど、その時はおじいさんは元気で
帰ってきた途端亡くなってしまった。一体何だったんだろうっていう内容だったのです。
それで、今回はこれを取り入れてみようかと思いました。



ハルトがおじいさんが出て来る夢を見るところから始まっています。
あえて文字にしていないのですが、ハルトはおじいさんのことが大好きで、おじいさんもハルトが大好きです。
おじいさんは会えるのは今年が最後かもしれない。だからおいでとハルトを誘います。
夢から覚めたハルトは、母親に夢の話をしますが、母親は子供が見た夢だからと信用しません。
それでも行きたいというハルトに、母親はおじいさんの住む田舎町に行くことに決めました。



ハルトがおじいさんの家に着いてから、親戚の子供達であるダイキ達と遊ぶことになります。
本当であれば女の子を1人くらい登場させてもよかったんじゃないかと思いました。
というか、書き始めた時は女の子を登場させる予定でした。
その女の子は病気で、町の病院に入院しているという設定で話を進める予定だったのです。



でも、そうなるとその女の子の病名は何なのか?
ハルトがいるうちに退院できるのか?
女の子とハルトとの接触というか、2人の展開をどうするのか?
考えているうちにこれは長くなるんじゃないかと考え始めました。



ということで途中で展開を変えることにしました。
考えた結果、川で遊んでいる途中、川の水位が増して、ハルトの足が水草に絡まり、溺れそうになることに。
当初はこの設定、無理があるんじゃないかと思いました。
でもyahooニュースやテレビのニュースを見てみると、ここ最近川での事故が多くなっていること。
小さい子供が水草に絡まって溺れ、最悪の結果になっていること。
さらにここ数年そうなのですが、線状降水帯が発生して、増水した上流の水が下流に流れて事故が多くなっていること。
悪いことが重なれば、上記の設定で溺れることは十分ありえるんじゃないかと思いました。
川での事故は多くなっていますから、十分気を付けたいですよね。



病院で気が付いたハルトにほっと安堵する父親。
溺れているハルトを助けたのは、川釣りをしようと来ていた病院の先生だと父親から聞いたハルト。
既に最後まで読んでいただいた方はここで何かピンと来たのではないかと思うのですが
このシーンは最後につながってくるわけです。
もうちょっとハルトの心情を表現すればよかったかなと思うのですが、この時のハルトはまだ疲れている状態なので
ここで心情を書くのはどうかなと躊躇してしまいました。



そもそもあの最後の部分は書く必要があったのかっていう疑問は未だに心の中であるのですが(^^::
これについては最後に書きます。



今回少し苦労したのは花火の描写ですね。
といっても軽く流してしまっていますが(^^::
本当であれば祭りの日、おじいさんやダイキ達と神社に行って、神社での祭りを楽しみながら打ち上げ花火を
見るという設定でもよかったのですが、そこまで行きつく前に結構長くなってしまっていたので止めました。
祭りの日のシーンはどちらかというと打ち上げ花火よりも線香花火をメインにしたかったのです。



縁側でおじいさんとハルトが仲良く線香花火を楽しんでいる。
線香花火って地味ですが、火をつけてから消えるまで4段階変わるんです。
ネットで検索して初めて知ったのですが、どう変わっていくかは短編に書いてあります。
途中で火の球が落ちていきなり終わってしまうと悲しいですよね。
ハルトも最初はそうでしたが、最後の1本でなんとか最後まで見れましたね。



線香花火って人生に似てるんじゃないかって思うんです。
生きている途中いろんな展開があって、いいことも嫌なこともあって
それでも生きていって歳を取っていって、だんだんと静かに生命の火が消えていく。
人生には始まりがあるから終わりがある。
生きているからこそやがて死は訪れる。
それが長いか短いかは自分だけでは決められないわけです。
自分で終わりを決めてしまう方もいますが、それはまわりにいる人達を悲しませるだけです。



大人になってから、線香花火はおそか、花火は長い間やっていませんが
夏の風物詩としては欠かせないですよね。



そしてハルトは両親と一緒に帰っていくわけですが
その後のハルトの夢の中でのシーンが今回の最後のメインになります。
おじいさんとの別れのシーンですね。



これは宮沢賢治の小説「銀河鉄道の夜」を参考にさせていただきました。
なので列車が出てきます。
ただ、私は小説は読んでなくてアニメ版を見ましたので、アニメ版「銀河鉄道の夜」を参考にさせていただきました。
小説とはまた少しだけ内容が違うのだそうです。
最後にカンパネルラと主人公が別れてしまい、その次の日(だったかな?)にカンパネルラが亡くなったという知らせに
ショックを受ける主人公・・・・すみません主人公の名前忘れました(^^::
アニメ版を見たのは子供の頃なので、最後の方だけなぜか覚えていて、最初の方は全く覚えてないのですが(^^::
見た後「なんでこんな悲しい終わりなんだろう」って思った記憶があります。



そのまんまの展開にしたつもりはなかったのですが、書いた後見てみると、もしかしたらそのまんま?かもしれません。



本当であれば、これで終わりにしてもよかったのですが、これだと悲しい話になってしまいます。
曲は明るい曲なのに、悲しい内容だとどうしても納得がいかない。
なので、最後はあのような展開にしました。
これは書き始める前から考えていました。



最後はハルトの数十年後を書いています。
大人になったハルトはおじいさんの住んでいた田舎町に移住し、医師として働いています。
移住したことで大好きだったおじいさんの側にいられるわけです。
肉体は亡くなっても魂は生き続けている。
お墓参りをすることで亡くなった人のことを思い、亡くなった人とつながっているように感じるわけです。



そして最後の最後にセミの鳴き声で終わっていますが、最後のシーンも夏にしたかったというのが理由です。
セミの鳴き声ってうるさいと感じる時もありますが、夏の終わりに聞くと「もう夏も終わるんだな」と実感させられます。



あと少しで夏休みは終わってしまいますが、今年の夏はいかがだったでしょうか。
あなたにとって、いい夏休みを過ごせたでしょうか。
思い出に残る夏休みになったのでしょうか。
いつどうなるか分からない昨今ですが、1日1日大切に過ごしたいですね。



すっかり長くなってしまいましたが、いかがだったでしょうか。
これで[.que]さんの曲で短編を書くのは終わりにします。
1年間、最初はどうしようか、続くのかなと不安でしたが、終わってみると短かったですね。
[.que]さんの曲は何と言うか、世界が広いというか、曲からイメージする世界が広いっていうか。
途中どの方向にもできるっていうか・・・・・。でもそれがいい場合もあれば、悪い場合もある訳ですが。
恋愛小説、ホームドラマ、児童小説を書いてきましたが、ホームドラマを書くのが多かったような気がします。



今度は長編でファンタジーものか、サスペンスで刑事ものか、はたまたどちらでもないものか。
どうなるかはわかりませんが、また[.que]さんの曲で書いてみたいと思います。



次回は短編の予定ですが、また違うアーティストの曲で書きたいと思っています。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。