キャッチボール production notes
連休も終わってしばらく経ちましたが、いかがお過ごしでしょうか。
最近は物騒な事件や地震が多くて、これからの日本はどうなるんだろうって不安になりますね。
特に地震は日本のあちこちで起きているので、そのうち日本沈没するんじゃないか?
映画に同じタイトルの作品がありますが、本当にそうなるんじゃないかって頭の片隅で思っています。
あ、最近はドラマでもありましたね(^^:: 当時はかなり話題になっていて見てませんでしたが。
でも、実際に起こったらみんなあたふたしながら、何も出来ないんじゃないですかね(^^:: 自分を含めて。
地震の話はここまでにしておいて。
今回は短編です。
短編と言っても、前回3月に書いた短編と舞台は同じ病院です。
「病院シリーズ」と勝手に自分で決めて名前つけてますが(^^:: 7月でこのシリーズは終わります。
短いですが、今のところは一応3回で終わりです。
今回のタイトル「キャッチボール」は最後に考えました。
出来上がった話を読んでみて、これはもう「キャッチボール」しかないかなと。
すでに読んでいただいた方は分かると思いますが、今回はキャッチボールする男の子2人が出てきます。
野球の話になりますが、野球をしている主人公の男の子が事故で右足を骨折、リハビリ中にある男の子と
出会い、キャッチボールをしていくうちに主人公の男の子の心の変化と成長をメインにした短編です。
(我ながら、よくまとめた(^^::)
キャッチボールってたかがボールを投げたり取ったりでしょ?って思いますけど
心と心の会話でもあるってあるドラマか映画のセリフで聞いたような気がする(^^::
ボールを投げる時に相手に取りやすいように投げようって思うし、受け取る側もしっかり取らなきゃって
思うわけじゃないですか。
お互いがお互いを気遣いながら、ボールを投げたり取ったりしてるんですよ。
それにキャッチボールする時って無言でずっとやってたりはしてませんよね。
何かと声を掛け合いながらやってるイメージがあります。
親子でキャッチボールしてる姿をたまに見かけますが、父親が子供に指導してたりとか
いいボールがきたら「ナイスボール!」って言ったりしてて、キャッチボールしながら日常の会話とか
してたりして、なんかこういうのいいなって思ったりしてます。
最近はWBCの影響で野球をやる子供が今後増えるんじゃないですかね。
大谷選手の影響もあるとは思いますが(^^::
タイトルが「キャッチボール」だったら、今回使った曲は何なのか?
みなさん意外に思うかもしれませんが、今回使った曲は・・・・・・。
平沢進さんの「消えるTOPIA」です。
ええ?って思うかもしれませんが、曲を聴いて出てきたのが今回の短編です(^^::
びっくりしました?
それはびっくりしますよね、自分でもびっくりしてるんですから(^^::
「え、本当にこれで児童小説っぽいのを書くの?」って。
「消えるTOPIA」を聴いて、最初思ったのが、来年から書く予定の長編に使えるんじゃないか?
最初はあくまでも長編用でした。
でも聴き続けていくうちに、ふとひらめいてしまったのです。
歌詞のある部分だけなら、もうひとつ書けるんじゃないか?短編で。
そのひらめいた該当の歌詞がこちらになります。
舵は邪気を裂いて切られ雲はない
過去はたった今 今はたった今 明日はたった今
キミに帰る
この「過去はたった今 今はたった今 明日はたった今 キミに帰る」という部分。
何気に深いな・・・・・と思いました。
歌詞全体的な話は来年の長編でも使うので、ここでは詳しくは書きませんが、周りのやっかみや嫉妬、悪い話に惑わされず
自分が信じた道に向かってがんばっていけば、その分自分に帰ってくる。
過去頑張った分、今頑張った分、明日頑張る分、キミに帰ってくる。
そういう意味なんじゃないかなって思いました。
そしてその部分を今回の主人公、ユウキの行動に当てはめてみたということです。
それでは最初から書いていきます。
最初、花束を持った小さな女の子が出てきますが、これは前回の主人公、ミユです。
見ていたら「この女の子は・・・」って思った方もいたかもしれません。
前回とは話は違うけど、同じ病院ですよっていう意図で書いています。
退院するミユをうらやましそうに見ている車いすの男の子。
これが今回の主人公、ユウキ。
母親に促されながら、ユウキはリハビリへと向かいます。
そしてリハビリを始めますが、右足が痛くて座り込んでしまい、動かなくなってしまいました。
先生や母親がなんとか続けてもらおうと声をかけますが、ユウキはリハビリが嫌になり
ついには一生車いすのままでいいと言い出す始末。
私は骨折は・・・・・15年くらい前にちょっとした事故で左足の小指の骨にひびが入りましたが
病院の先生は「ほっとけば骨が固まってくるので大丈夫」って治療はしませんでした(^^::
ただ、ぶつけないようにねとは言われてたので気を付けてはいましたが、1度だけあやまって家具の先にぶつけてしまって
とても痛かったことを覚えてます。
今は小指はすっかり治りましたが、骨にひびが入るだけで痛いんですから、骨折して手術して・・・・だと
リハビリ中はとても痛いんじゃないかって思いますね。
痛くても我慢して歩かないと、足って良くならないんですよね。
病院の外でユウキが母親を待っていると、どこかから音が聞こえてきます。
ボールをぶつけている音だと思ったユウキは音の聞こえる場所へ行くと、そこには壁打ちしている男の子の姿が。
ここでタカシと出会い、キャッチボールをしたことがユウキの心境の変化のきっかけになるんですね。
タカシは父親が病気で入院していて、母親と一緒に毎日のように病院に来ている。
ユウキはタカシと会うたびにキャッチボールをしていくうちに、それが楽しみになっていくんです。
でもキャッチボールをしていくうちに、ユウキは自分の不甲斐なさを感じるようになるんです。
いつもタカシは車いすに乗ってる自分に気を使って、自分が取りやすいようにボールを投げてくれている。
それがだんだんと心苦しくなってきたユウキ。
自分が足を動かせるようになれば、2人で思いきりキャッチボールができるのに。
タカシが気を使うこともなくなるのに、どうすればいいんだろう。
でもどうすればいいのかは、ユウキが一番よく分かっているんですよね。
リハビリを頑張れば足は治るんですから。
そこでユウキはリハビリを頑張ることにしたのです。
足が痛くても、我慢して頑張れば足は治る。
足が治って歩けるようになれば、タカシとキャッチボールができる。
リハビリを頑張ったユウキの右足はだんだんとよくなり、車いすもいらなくなりました。
ようやく走れるようになったユウキはタカシがいるところへ行きますが、そこにタカシはいませんでした。
タイミングが悪く、他の病院に移ったと聞いたユウキはがっかり。
でも数ヶ月後、練習試合で偶然再会した2人は楽しそうに話をしながら、ホームへと走っていくのでした。
今回、初めて平沢さんの曲で書いてみました。
平沢さんの曲って歌詞は何を言ってるのか分からない部分もあって、難しいですが
何度も聴いていくうちに、突然理解できたりするんですよね。
今回の「消えるTOPIA」もかなり聴いてますが、何を言っているのかなんとなく分かってきました。
何を言っているのかが分かれば、それに当てはめて話を作っていけばいいのですが、これが難しい(^^::
何かと難しく考えてしまうので、そういう時はシンプルに考えるようにしています。
シンプルに、分かりやすく、短めの話、そして舞台は病院。
そう考えた結果、児童小説の形にして、今回の話になりました。
児童小説に意図的にしたって形ではなくて、途中で気が付いたら児童小説になっていたってことです。
前回のミユの話も児童小説でしたが、どちらかといえばファンタジー色が強かった話だったので
今回の話の方が現実的で実際ありえそうな話だなと。
平沢さんの曲って、曲によっては難しいですからね(^^::
曲によっては何度聴いても分からないってのもありますが、それはそれとしていいんじゃないでしょうか。
あとは来年まで平沢さんの曲で短編を書くことはないので、今回実験的な試みでよかったんじゃないかと思います。
次回の病院シリーズは7月。次回でこのシリーズは終わりです。
病院っていろんな人が集まるので、いろんなドラマもあると思うんですよね。
患者さんだけじゃなくて、先生や看護婦、清掃員や食堂、売店やカフェの店員さん・・・・・。
いろんなドラマが毎日のように起こっている場所だなと思います。
それは他の場所でも同じだとは思うんですけど、スーパーとか銀行、レストランだとやっぱりネタが限られてくるっていうか
あまり思い浮かばないんですよね。
次の病院シリーズの主人公は今回出てますが、誰なのかは次回まで内緒です。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
次回6月はお待たせしました(誰も待ってないかも)の「星の鏡」シリーズの番外編が始まる予定です。
まだ最初どうするか決まってないんですよね(^^::
今回はある人物をメインにしたストーリーになる予定です(予定としかいいようがない)
次回どうなるのかあまり期待はせずにお待ちください。