旅立ち production notes
9月になりました。
2023年もあと3ヶ月で終わりです。
年月が経つのは本当に早いですね。
今年の夏は(今も夏ですが)暑かったですね。
9月に入ってからは風が出て来て少し涼しくなってきたというか。
夜はもうエアコンを入れなくても、扇風機だけで過ごせるようにはなってきました。
今回は病院シリーズの最終回です。
8月で終わりにするはずが終わりませんでした。
9月に書く予定の短編はまだ何も考えていないので、正直助かりましたが
遅れたことはめったになかったので少し申し訳なかったです。
今回の主人公は子供ではなく、男性です。
前回ユウキという少年が主人公でしたが、リハビリ仲間?でユウキと話をしていたヒロトが主人公です。
ヒロトがオーナーをしているレストランのパティシエで、恋人でもあるリサとの別れをお話にしてみました。
とは言っても、最初は設定が違っていました。
最初はリサを主人公に設定して、リサはパティシエではなくヨットで日本からアメリカへヨットで横断しようとする
冒険家っていう設定だったのです。
ヒロトはレストランのオーナーなのは変わっていません。リサと恋人だっていう設定も。
リサがアメリカへヨットに乗って旅立つ日、ヒロトはレストランのオーナーを辞めて、リサには内緒でヨットに乗り込みます。
そして出発してしばらくするとヒロトがリサの前に現れて、リサにプロポーズをして終わる設定でした。
それはそれでよかったのですが、いざ書くとなるとヨットの知識もある程度知ってなければならないし
ちょっと設定に無理があるかなと思って止めました。
それで考えたのが、リサを同じレストランのパティシエに変更することでした。
パティシエなら、修行のためにフランスへ留学するのは実際ありえることですし、ヒロトの設定も昔は料理人を目指していて
再びフランスで修行をすることにすれば無理はないかなと思いました。
ここで今回の曲の話をします。
今回は小笠原幸子さんの「port5!」を使いました。
アルバム「port5!」のタイトル曲ですが、この曲を聴いていると旅立ちの曲というか
前向きになれる曲というか、なんだか大きな決断をしてそれに向かって行くっていうイメージが浮かんできました。
これからは音楽をやっていくんだっていう彼女の決意表明とも言える曲だなとも思いました。
このイメージを今回の話に当てはめてみました。
リサを主人公にしてもよかったのですが、そうなるとリサをメインに書くことになるので
また違うシーンになるのではないかなと考え、今回はレストランのオーナーであるヒロトを主人公にしました。
レストランのオーナーだと、店の経営の事とか、従業員の事とか、いろんな問題を抱えているので
レストランを舞台にしていろいろできるなと考えたからです。
リサを同じレストランのパティシエにすれば、フランスへ修行しに行くのもありえる話ですし
またヒロトも病院でリハビリをしている間に、トウマにお店の事を任せ、トウマがお店の事を分かるようになった頃
店を譲って、リサの後を追いかけて行くっていうものありえるかなと思いました。
最後の飛行機で再会した時に、ヒロトがリサにプロポーズをすることも考えたのですが
これから2人とも新しい旅立ちだというのに、プロポーズするっていうのは少し違和感があるかなと思いました。
なので止めました。
フランスから日本に帰るのなら、プロポーズもありえるかなと思うのですが
これから新しい環境に行くのに、プロポーズっていうのは自分の中ではちょっと違うかなと。
どちらかというと、プロポーズってお互いの環境が安定している時にするものだと思っているので
これから何が起こるか分からない、どんな環境なのか分からない時って逆にプロポーズはしないと思うんですよね。
プロポーズされた事がないんで、あくまでも自分で考えた持論ですが(^^::
今回は最初に考えていた話を大幅に変更したので、どうやって話を進めるかとても考えました。
でも、リサにサプライズを仕掛けて驚かせようとするヒロトっていうのは変わっていないので
どうやってサプライズを仕掛けるかっていうのはとても悩みました。
最後の飛行機のシーンをまず最初に考えて、そこから逆算して話を作っていくことにしました。
リサがパティシエ修行のためにフランスに行く、フランスのパティシエ専門学校に行くことから始まり
ヒロトは専門学校近くのレストランに行くことにして、2人を飛行機で再会させます。
専門学校に行くにはまず合格しないといけないし、レストランも雇用されることにならないといけない。
それで最初の方、ヒロトがレストランのホールでトウマから郵便物を受け取りますが、その中にヒロトへの
採用通知が送られてきたということにしました。
もちろん、最初はそれははっきりとは書いていません。
最後にヒロトからリサへとその事が告げられるわけです。
また今回悩んだのが、前回の主人公であるユウキをどこで入れるかでした。
病院シリーズなので、前回のつながりとしてユウキをどこかで入れたかったんです。
話を変更する前は何かと活躍してもらおうと思ってましたが、がらりと変えてしまったので
リサの退職日にお菓子をもらいに行ったり、空港でリサを見送りに来たくらいで終わってしまいました。
本当はもう少し活躍してもらいたかったのですが、何も思いつきませんでした(^^::
最後まで考えたのが、リサの退職日当日の描写です。
最初はお菓子を配っているところとか書こうと思っていたのですが
それは全体的にはあまり重要ではないので、2,3行ぐらいで済ませることにしました。
重要なのはその後のリサのパーティーのところなので、長々と書くのもどうかなと思いました。
一番最後の空港で、飛行機をトウマとユウキが見送るシーンですが
最初は軽く流すつもりでした。
でも、2人からするとヒロトがリサと一緒の飛行機に乗っているのを知らない訳ですから
なんだかスッキリしないですよね。
なので、ヒロトからトウマへメッセージを送ることで2人が知る形にしました。
これでスッキリ終わらせた感じです。
3回に渡って続いた病院シリーズでしたが、いかがだったでしょうか。
最後の方は病院は最初の方しか出てこなかったですけどね。
病院っていうのは町にとっては重要な場所なので、そこで毎日繰り広げられるドラマっていうのは
無限にあるんじゃないかと思います。
今回は3回とも患者という視点からの話でしたが、病院の先生、看護婦さん達、病院内部で繰り広げられるドラマも
ありますが・・・・・それはやっぱりある程度の知識がないと苦しいので、当分は書かないかな。
先日、NHKのアナザーストーリーを偶然見ました。
作家の小松左京さんの話で、「復活の日」がどうやって書かれたのかという話に興味があって、最後まで見ました。
執筆当時はまだウイルスっていう言葉が日本ではなかったそうです。
「復活の日」では未知のウイルスが世界中を蔓延し、人類滅亡の危機に陥るのですが、そのウイルスをどう描くか
小松さんはアメリカの資料を毎日のように読み、調べていたそうです。
「復活の日」はコロナ禍の時に「予言の書」のような扱いで話題になりましたが、その裏には小松さんの徹底した
下調べがあったんですよね。
だからとてもリアリティさがあるし、実際コロナ禍の時はまっさきにこの作品が頭に浮かんで来て
このまま人類滅亡なのかとも思いました(^^::
私も「星の鏡」シリーズでは下調べをしながら書いていたことがあったのですが、最近はあまりしてませんね。
小松さんは学生の頃から読んでいて、尊敬する作家さんの1人なので、本当にすごい人だったんだなと思います。
次回ですが、何を書くかは全く決まっていません。
しばらく筆を置こうかとも考えていますが、そうなるとまただらだらと過ごしそうなので
何かないかなと考えています。
ネタのストックはいくつかあるのですが、書くタイミングを考えているので、今はまだその時じゃないなと。
来年からは例の長編もあるので、残り3ヶ月で何が書けるのかって・・・厳しいですね(^^::
次回はあまり期待はせずにお待ちください。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。