記憶のかけら 1 production notes



すっかり寒くなりました。
今年も秋は短かったような気がします。
ついこの間までは暑かったのに、もうダウンジャケットを着こんでいる。
そのうち季節が夏冬の2つしかなくなるんじゃないかと心配です。



今回は先に曲の話をします。
前回と同じ平沢進さんの「幽霊列車」を使っています。
前回でボツにしたネタがあると書きましたが、そのネタを今回考えに考えて書きました。
でもどちらが曲に近いのかというと、前回の話が近いんですよね(^^::
列車が出てきているし、死ぬかもしれない妹をなんとかしようとする兄の話ですが
まだ読んでないという方は読んでみてください。



今回は前半なので、どういう話なのかは書けないのですが
「幽霊列車」のイメージとは前回の話に比べて、ほぼ遠いです。
この曲を聴いて、最初に耳に残ったのはこの歌詞の部分でした。



残骸 残骸(全ての) 残骸 残骸(全ての)
残骸 残骸(全ての) 残骸 残骸



この残骸っていう部分がとても耳に残っていて、そこからなぜか分からないのですが
今回の話のラストシーンが浮かんできました。
先にラストシーンが浮かんだっていうのはあまりなかったので、いきなり最後が浮かぶのかよって
自分につっこみました(^^::
でも浮かんで来たラストシーンはそれなりによかったので、書きたいなとそこで思ってしまったわけです。



本当であれば前回、今回の話を書くつもりでした。
前回は時間が限られていて、最初の部分は書いていたのですが、書いていくうちに疑問が次々と浮かび
これは考える時間が必要なんじゃないかと思い、いったんボツにしました。
それで再度曲を聴いていたら、今度は1話まるごとネタが降りてきたのです。これが前回の話ですね。



今回は未来の話です。
今年は何度か未来の話を書いていますが、今回は未来の設定が難しいなと思いました。
今回の主人公、ノアという男の子ですが、両親がいません。
親戚全員からは疎まれ、ひどい扱いを受けて、両親と住んでいた家に戻って1人で住んでいるという設定です。



今回の話の前半はノア1人しか出てこないので、セリフもあまりありません。
ノアがどんな環境、状況に置かれているのか、設定はかなり考えました。
前回ボツにしたのは、この部分が大きいです。
未来の設定とはいえ、子供が1人だけ住んでいるわけですから、生活がままならないわけです。
家も廃墟になっている状態なので、電気が使える地下以外は電気やガス、水道は使えないわけです。
なぜ地下だけ電気が使えるのかは次回明らかになりますが(^^::



そんな地下の父親の部屋で、いきなりアラームが鳴り出し、ノアは父親が作っていたある発明品を見つけます。
それは円盤から投影される映像をメガネをかけて見ると、映像から匂いがしてきたり、風を感じたりして
いろんなことが体験できるというもの。
しかもそれは人の記憶までも取り込んで映像化でき、それを体験できるというものだったのです。
ここでようやく未来っぽいものがでてきました。



今の技術でもゴーグルをかけて、ゴーグルの中の映像を見て疑似体験できるものがありますよね。
ゲームにも使われてますよね、私は買ってないですしあまり興味もないですが(^^::
なかには香りを楽しむものもあったような気がしますが、最近はあまり聞かなくなりましたね。
人の記憶を取り込んで、それを映像化するっていうのも、今は無理かもしれませんが
遠い未来だったらできそうな気もしなくはないでしょうか、無理かなあ(^^::



記憶の映像化、できれば面白いですけどね。
頭に機械をつけて、頭に浮かんだものがすぐに映像化されて、スクリーンに投影されれば
いちいち話をしなくても、書かなくてもすぐに相手に伝わるし。
でもそれはそれであらゆるリスクもありそうですけどね(^^::
今の技術ではできなくても、もしかしたら実験しているところがあるかもしれないですね。



父親の発明品を見つけ、楽しくなったノアは、もっと試したいと外へ出かけます。
数人の記憶を取り込み、家に帰って映像を見ますが、最初の女の子のドーナツの映像以外は
あまり満足しない内容でしたが、人の記憶を取り込めることを確認できたノアはもっと取り込んでみようと
思うのでした。



本当であれば今回はここで終わる予定でした。
先月この話を書こうと考えていたのは3回に分けて書こうと思っていたのです。
10月から12月の3回ってことで考えてました。
でもボツにして別の話を書いたので、今回は2回に分けて書くつもりですので
もう少し話が続くことになったわけです。



それから数日後、今度は場所ががらっと変わります。
町のある部屋、探偵のエリックのところに病院の院長がやってきます。
急に部分的に記憶がなくなった、記憶喪失の患者が増えた、しかも住んでいる町だけだという院長の話に
エリックは何かあると興味を持ち始めます。
それはエリックの子供、アダムも同じでした。
エリックが出かけると、アダムはPCを開いてさっそく何かを調べ始めるというところで
今回は終わりです。



ここではエリックと子供のアダムの行動の違いが面白いところかなと。
エリックは院長の話を聞いて、外へと出かけますが、アダムはそれに対してPCで調べようとしてます。
大人は本人や関係者から話を直接聞いて、理解を深めようとしますが
子供はまずどんな内容なのかネットで調べるわけです。



これは今もそうですよね。
ネットがすっかり生活に定着して、大人もネットでまずはググるようになりました。
でもお年寄りの方は話をした方が早いと、直接会いに行きますよね。
最近の若い人は電話が取れない、かけられないとニュースで出てましたが、ここでもネットの影響が出てますね。
電話よりもチャットの方が気軽だし、空気を読む必要がないし(^^::
でもタイムラグっていう問題がありますけどね。急ぎの場合はどうしているんでしょうね。
よくスーパーでも狭い売り場に立ち止まって、スマホでチャットしている人をよく見ますが止めて欲しいです。
それって今やる必要があるのか?買い物終わってからでもいいんじゃないかって思うのですが(^^::
今日の献立何にするっていうチャットだったら電話して聞けって思いますし。
はっきり言って邪魔です。狭い道をよけいに狭くしてるので止めて欲しいです。
すみませんグチが出てしまいました。



最後に今回のタイトル「記憶のかけら」についてです。
今回は話を書いた後にタイトルをつけました。
最初「記憶の残骸」にしようと思ってましたが、残骸という言葉の意味が気になりました。
今回の話を書くきっかけになった、今回の曲の歌詞でもあります。
例によってググってみると、残骸というのは・・・・・。



「捨て置かれた死体」
「元の形をとどめないほど壊れたり破壊されたりして残っているもの」



という意味でした。
やっぱり事前に調べておいてよかったです(^^::
話の内容とは違っているので、どうしようか考えました。
でも「記憶」という言葉はどうしても使いたい。
話の内容的には「記憶」というより「思い出」なのですが、「思い出」にするとなんだか範囲が狭くなるような
感じがするので、あえて「記憶」にしました。
「残骸」はどうするか考えた結果「かけら」にして「記憶のかけら」にしました。



今回後半は推理小説寄りになりましたが、次回はそうはならないと思います。
後半に向けていろいろと伏線も書いているので、次回はその回収がどうなるのか楽しみです。



次回は後半ですが、次回で終わるのか全く分かりません(^^::
でも来年は長編が始まるので、そっちに時間をかけたいので来月で終わらせないとまずいな。
もしかしたら大晦日まで書いているかもしれませんが(なるべくその前までに終わりたい)
年末年始はみなさん時間あるでしょうから、よろしかったら今までの短編も読んでみてください。



最後までお読みいただきありがとうございました。
次回で今年も最後ですね。
次回もお楽しみに。