交差する思惑 production notes



8月もそろそろ終わりますがいかがお過ごしでしょうか。
お盆は地震、台風と立て続けでしたが自分のところはあまり大したことがなくてよかったです。
夏休みの間はずっとこの長編を書いていて、他にも出かけたりはしましたが遠出や海外旅行には行かなかったですね。
この期間はどこに行っても人だらけですし、人をわざわざ見に行った感じになってもしょうがないんで(^^::
そういえば映画も夏休みの最初の頃だけで、お盆期間は結局行きませんでした。
お盆期間は人がいつもより多いので、行く気が失せるんですよね・・・・・・。
それにずっと暑いので、部屋の中でエアコン効かせて好きなことをしていた方がいいなと思ってしまいます。



さて今回ですが、前回終わってから全くネタがなかったのでどうしようか困りました(^^::
平沢さんの曲も決まってなかったので、とりあえず曲を聴きながらどうしていくか頭の中で整理。
こうしてなんだかんだで書けたのが今回の話です。
今回3曲にしようか考えてましたが、2曲になりました。
最初のマリアとのシーンからサリーがいる村外れの鍛冶場に行くまでのシーンは曲なしで書いてしまったので。
(というか、前回の曲「гипноза (GIPNOZA) 」を流しながら書いたので、前回からの続きという扱いなので
今回の曲としてはカウントしません)



1曲はサリーという名前が出た時点でお分かりの方がいると思いますが「火事場のサリー」です。
この曲をヒメル編で使おうとは最初全く思ってませんでした。
聴いた時点で「これは使わないだろう」と思いましたが、魔法使いを登場させる予定はあって
それにふさわしい曲はどれだろうと考えているうちにこの曲になりました。
「火事場」「鍛冶場」って読み方一緒ですしね(^^:: シャレで使ったっていうのもあります。
ただ、今回魔法使いを登場させる予定ではなくて、当初はもっと後の方・・・アルマスがヒメルを出て行く手前で
指輪から火が出るようにしてもらう予定だったのですが、ネタ切れだったので早く登場させてもいいんじゃないかって思って
予定変更しました。
名前もそのまま「サリー」を使わせてもらいました。
この曲に関しては歌詞よりも曲のイメージからサリーのシーンを書いていったという感じですね。
サリーは魔法使いという設定ですので、途中小さな女の子の姿になったり、逆に老婆になったりして魔法の鏡を通して見ている2人を
困惑させるっていうシーンは曲を聴きながら自然に出たネタです(^^::
歌詞の中に「シュレッダーの隙間でだんだん美女になる」というのがあるので、その通りにしてもよかったんですけど
それだとあまりにも普通かな、面白くないかなと思って小さな女の子と老婆にしてみました。



もう1曲は「回路OFF 回路ON」。
もう本編を読まれた方はお分かりですが、後半はマリアと一緒に美術商のお店に行ったり、鍛冶場で指輪から火が出るかどうかを
試したりで少し慌ただしい展開になりつつあるところです。
またボスが持っている金の象の彫刻を巡る美術商の店の男女の言動も怪しくなってきて気になるところ。
だんだんと展開が慌ただしくなりつつ、登場人物の様々な思惑も垣間見えるような曲ということで、これもイメージで選びました。
「Wi-SiWi」かどちらにするか迷いましたが、「Wi-SiWi」は歌詞的にちょっと違うかなと思ったので「回路OFF 回路ON」にしました。
この曲、なんだか昔の昭和歌謡っぽくてアルバムの中でも変わってて面白いなと思いました。



また歌詞の中に気になる部分がありました。



リスキーなゲームで地球は大惨事
レスキューのロープをバイトが引く

声を聴け ヒト科の朝の
危機さえ 耽美壮麗
回路OFF 回路ON

急げよ類無き回路は今も開く
生成消滅の火花を散らして
万事に繋がれたハイウェイでキミを見たよ
生成消滅の光の姿で



後半の歌詞ですが、全体的に見ると他に「デリバティブ」「ファンド」という言葉があります。
株をやってる人は馴染みのある言葉だと思いますが、この曲はマネーゲームを批判している曲ではないかと思います。
今世界中で株式や債券が日々やり取りされていますが、それを大きなマネーゲームととらえ、株の上昇で儲かったり、大暴落で一瞬にして
一文無しになったり・・・・とても危険な、リスキーなマネーゲームで人生や国の経済が左右されている訳です。
昔は株は株券という紙切れ、今は電子株に仮想通貨もある時代ですが、リスキーなのは変わっていません。
儲けている間は大金持ちですが、大暴落すれば一瞬にして大貧民です。
そんな株で一喜一憂している人達を「危機さえ耽美壮麗」と皮肉っている訳です(^^::



今は儲けているのは株ばかりではありませんよね。
いろんなものであふれている現代ですが、不要なものをフリマアプリで売買している人も多いですよね。
何かと人気商品が出たら、我先にとお店に行って大量買い。そして定価よりも高い値段で売りつける輩達。転売ヤー。
迷惑にも程がありますよね・・・・・。転売ヤーのせいで欲しいものが買えないなんて。
株ほどではないですが、売れなくて大量の在庫を抱えるリスクはありますよね(^^::
そういうのに生活をかけている人ってどうなんでしょうか?
最近になって企業側もいろいろ対策はやっているようですが、欲しいものを買えるっていう当たり前のことができる状態になって欲しいものです。



今回はアルバム「ホログラムを登る男」からの2曲でした。
このアルバムに入っている「アディオス」「アヴァター・アローン」が好きなのですが、いつかはこの曲で短編書いてみたいですね。
「アディオス」はこの長編の後半に入れようかなと考えてはいますが、具体的にはまだ不明です。



今回のタイトルも一番最後に考えました。
絵画を売ってお金を稼ぐマリア、金の象の彫刻をなんとか手に入れようとする美術商の女。
そして火が出るようになったアルマスの持つ指輪を利用して、新たな開発をしようとしているボス。
登場人物の様々な思惑が出た回だなと思い、今回のタイトルにしました。
「渦巻く思惑」に最初していたんですが、全体を読んでみてそんなにドロドロでもないかなと思ったので(^^::
「交差する思惑」にしました。



今回はネタが出るかどうか微妙でしたが、なんとかなってよかったです。
平沢さんの曲は複雑な曲というか、変わった曲というか、凝っているというか・・・・・(^^::
聴いていてすんなりネタがまず出ないんですよね。だから何回も聴くことになる。
平沢さんの曲は中毒性もあるので、何度も繰り返し聴きたくなるというのもありますが(^^::
歌詞も何を言ってるのかよく分からないのがほとんどなのですが、何度も聴いて、何度も歌詞を見ているうちに突如分かる時もあります。
平沢さんの曲を長編にするっていうのはなかなか難しいですが、なんとか続けていきたいです。



美術商の男女が怪しいと思い始めたマリア
金の象の彫刻を狙う美術商の女の目的は何なのでしょうか。
そして火が出るようになり、アルマスはこれからどうなっていくのでしょうか。
次回はちょっと展開が慌ただしくなります(^^::
曲は既に決めていて、今度もまた「まさか」と思うような曲です。
平沢さんの曲って「まさか」と思う曲を使う率が高いような気がする(^^::



今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
また次回もお楽しみに。