秘めたる思い production notes
「星の鏡」シリーズも今回で5回目。
港町ポルト編の2回目になります。
今回もTINÖRKS(ティノークス)の曲を使っています。
今回は使う曲があるのか、ちょっとキツイんじゃないかなって
正直思いました。
次回の曲は早々と決まっていて、前回の曲「Inisheer」「nayuta」との間の
曲はどうする?と前から悩んでいました。
本当ならば今回「nayuta」を使う予定でしたが、「Inisheer」だけで話を書くのは
ちょっと厳しいかなと思って前回一緒に使ったんです。
そのせいで、今回使う曲・・・・どうする?っていう事態になりました。
でも、書くことになっていざ、フタを開けてみたらあっさりと決まりました。
おおまかな話は前回書いてから、頭の中にはありましたので
その話に合った曲を聴いていたら、ちょっと気になっていた曲がぴったり合いました。
それが「Pilgrimege」です。
「Pilgrimege」はピアノがメインの曲で、最初は少し悲しげな感じなのですが
後半からメロディが変わって、コーラスが入って、聴いていてなんだか励まされているような
それでいて癒されるような。そんな感じの曲なんです。
「Pilgrimege」の意味を話を書き終わってから(^^::調べてみたのですが
「巡礼」「長旅に出る」という意味なんですね。
旅人が長い旅の途中で疲れて、休んでいると、偶然出会った人から優しい声をかけて
もらったり、地元の人から軽いおもてなしを受けたりして、人々の優しさに触れながら
また旅を続けていく・・・・というイメージを持ちました。
これは意味を調べた後のイメージなので、今さら話には反映できませんが
意味を調べる前のイメージはというと、人それぞれ、いろんな事情を抱えていて
落ち込んだり、あきらめたりすることがあるけれども、
まわりの人達に助けられることによって励まされて、またがんばってみようという気になって
生きていくという感じを受けました。
この曲のイメージが今回の考えている話をうまく重なったので
「Pilgrimege」を使うことにしました。
書いている間、自分でもこんなに繰り返し聴いているのは珍しいというくらい
何度も聴きました。
なので、今回は話が重たくなるんじゃないかなと思いながら
書く予定日の前日にプロットを書きました。
プロットはもっと早く書きたかったのですが、今回は他のブログ記事の更新もあって
本当にぎりぎりになって書きました。
締め切りはないですが、追い込まれると早いのか?
いつもは時間がかかるのに、今回のプロット作りはあっさりと終わりました。
(前日の夜にお風呂場で湯舟に浸かりながら考えてた甲斐がありました)
いつもなら、最初はどうしようかとかなり悩むのですが
今回はヘンリックの家に入るところからと決まっていたので
最初の出だしは早かったです。
今回悩んだところは、ポルトで起こっていることをトイヴォにどうやって説明するか。
そして、森の和尚様のところに行くことを拒むアウロラを、トイヴォがどうやって説得するか。
かなり苦戦したのが、意外にも前者の方でした。
ヘンリックの他に、男装しているオリヴィアも登場させなくてはいけないし
ヘンリックとオリヴィアが交互にトイヴォに説明するという形にしましたが
2人だけで話をどんどん進めるわけにもいかないだろうということで
トイヴォがポルトに対する疑問を2人に投げかける形で、アウロラのことも混ぜながら
話を展開させたつもりです。
オリヴィアの男装の恰好は、あまり派手にするのもおかしいので
シンプルに黒ずくめにしました。
ヘンリックの家ではオリヴィアが住んでいる家でもあるので、素に戻るのですが
それ以外は男に見せかけるため、アウロラの家の中でも男口調にさせています。
男性名もオリヴィアと全く違う名前というのも分かりにくいので、オリバーにしました。
後半のアウロラとトイヴォの2人きりの会話。
これはあまり考えず、自然と出てくる文章に任せました。
アウロラが感情的になり、突然泣き出すところはプロットにはありませんでしたが
会話が進むうちに、自然とそうなっていきました。
話が進むにつれて気が付いたら私も泣いていました(^^::
いつの間にかアウロラの立場になって考えていたんでしょうね。
アウロラが泣き出してくれたおかげで、トイヴォは自分の母親のことを話し
自分がアウロラの母親を探すと言ってくれたおかげで、アウロラは森へ行くことになりました。
後半のアウロラとトイヴォの会話が「Pilgrimege」でいうとメロディが変わったところで
コーラス部分が、泣いているアウロラをトイヴォが励ましているところかな。
この曲は途中メロディが変わるので、前半、後半と分けて話を考えられてやりやすかったです。
今回のタイトル「秘めたる思い」は、いつもながら話ができてからつけました。
単なる「思い」でもよかったのですが、「秘めたる」というのは
アウロラがいなくなった母親に会いたいという気持ち。
母親がいなくなって一人で寂しい気持ち。
トイヴォがアウロラが気になって、アウロラをなんとかしてあげたいという思い。
全て心の内側からこみ上げてくる思いから「秘めたる思い」とつけました。
プロット段階ではヴァロの存在をすっかり忘れていたので、最後に慌てて入れました。
ヴァロにはもっと登場してもらって活躍させたいんですけど、今回は余裕がなく最後だけ・・・。
次回はもうちょっと登場させたいですね。
次回もこのシリーズの続きの予定です。
次回でポルト編は一応最後・・・・になるはずです。
アウロラは無事に、森へ行けるのでしょうか?
次回もよければご覧ください。