霧と影 production notes


すっかり8月になってしまいました。連日暑いですね。
7月27日のロシアでの大地震による津波ですが、みなさん大丈夫でしたでしょうか。
津波自体はあまり大したことはなかったみたいですが、津波警報が翌日になっても解除されず
ようやく夕方には全部解除されましたが、前日の帰宅ラッシュ時は電車が止まっていてタクシーの列が長くなっていて・・・・。
それをテレビのニュースで見ていて東日本大震災を思い出してしまいました。
夜10時過ぎにはやっと動いたようですが、東日本大震災の時といい、どうしてJRはすぐ終日運転停止にしてしまうんでしょうか(^^::
私鉄は時間かかりながらも運転再開は早かったですよね。東日本大震災の時もそうでしたが。
ちなみに私は当日は在宅でしたのでテレビのニュースを見ながら「大変だなあ」と思ってました。
東日本大震災の時は会社にいたので、夜中に私鉄が運転再開のニュースが流れた時、会社から歩いて私鉄乗り換え駅まで行ったのを覚えてます。
道路には大渋滞の車、歩道には駅やらどこかへ向かう人達であふれてました。



最近どこかで大規模な震災が多くなっているようですが、そのうち日本も何か起こるかもしれませんね。
その時のために備えをしておかなくてはですね。
ちなみに水とある程度のお菓子や食べ物は備蓄しています。



また前置きが長くなりました。
今回の話は本当であれば7月に載せたかったのですが・・・・・間に合いませんでした。
既に読んでいただいた方は分かると思いますが、今回は長い(^^::
予想外に長かった。
自分としては今回は珍しく、最初から最後まできっちりと話を詰めたんです。
ただ想定していた長さとは全く違う長さだったので、スケジュールが狂ってしまいました。
見直しの時もどこか端折ろうかなと思ったのですが、端折れるところがない(^^::
後半最初ということもあって、そのまま載せることにしました。



今回から後半が始まりましたが、最初から波乱の展開になってます。
平沢進さんの曲は今回は3曲使っています。



まず最初の霧のシーンから時の女神が出てくるシーンまでの1曲は「GHOST BRIDGE」。
この曲は最初のイントロを聴いた時点で霧が立ち込める中、アルマスが彷徨っているシーンが浮かびました。
この曲は歌詞よりも曲で選んだ感じです。
最初のシーンでアルマスが川でレオンに会って、アルマスは何度もレオンを呼びますが、レオンは答えることなく
アルマスから離れていってしまう・・・・という夢を見て起き上がるというシーンもこの曲を聴いて浮かんできたものです。



前回、ヴィンドでレオンが亡くなり、アルマスはヴィンドを出なければレオンは死なずに済んだかもしれないという自責に囚われているんですね。
レオンを失ったという喪失感がアルマスの心を支配しているわけです。
夢から覚めて、ホーパスと一緒に川へ行って水を飲むシーンがありますが、川を見ているうちに夢に出てきた川と一緒だと思うんですね。
それでレオンがもしかしたら来るんじゃないかと思いながら、アルマスは川を見ている。
一方でさっきのは夢だから、レオンが来るはずがないという思いもあり、2つの思いが交錯していくという・・・・。



そんなアルマスを見ながら、ホーパスにもある出来事が起こります。
森に棲む幽霊達に囲まれ、半ば強制的に幽霊の世界へ引き戻されようとするシーンですね。
曲のタイトルが「GHOST BRIDGE」なので、他にも幽霊がいて、それが悪霊だったらどうだろう?
悪霊だったらホーパスを襲うかもしれないという流れで思いついたシーンです。
その後、時の女神によって悪霊達は追い払われるのですが・・・・・・。



時の女神の登場に驚く2人。
村に出る道を教えた後、悪霊がまた出るかもと怯えるホーパスに光を当てて、一時的に生きているように見せるようにします。
時の女神はあくまでも時を司る女神ですので、生き返らせることはできないんですね。
喜ぶホーパスを見ているアルマスに時の女神は炎の力を封じると言い出します。
これはみなさん(たぶん)驚かれたのではないかなと思います。
時の女神のセリフにもありますが、2人が来た世界はアルマスが異世界へ来る以前の世界とほぼ同じ世界。
その世界でアルマスが今まで通り、炎の力を使ったら・・・・炎の力ってかなり強力ですよね。



例えばその炎の力を自分が実際に使えるとしたらどうでしょうか?
火をつけようと思えばつけられますし、いざ災害が起こって電気やガスが使えない時には便利ですよね。
料理もできますし・・・・・(^^:: キャンプだってできますよね。
でもその力を悪い事にも使おうと思えば使えますよね。火で人を脅したり、最悪殺人をしてしまったり。
もし自分だけ炎の力が使えるとして、それが悪い人や権力者に知られてしまったら、利用されてしまうわけです。
自分の持つ力で争いが起きて、戦争になってしまうかもしれない。
それを時の女神は危惧して、アルマスの炎の力を封じたのです。
でも力を封じた場所はアルマスの体の中・・・・どうしてそうしたのかは後々分かってきます(^^::



2曲目はかなり迷いました。
既に1,3曲目は決まっていたので、真ん中をどうしようかと思いながら平沢さんの曲を聴いてました。
1,3曲目が同じアルバムからなので、全部同じアルバムの曲からにしようと決めた曲があったのですが
聴きなおしてみるとやっぱり違うなと(^^::
YouTubeで平沢さんの曲を次々と聴いているうちに3曲目にうまくつながる曲にしようと思い、決まったのが
「時間の西方」です。
これは話の中でいうと時の女神の登場からモルケがアルマスとホーパスを連れて暗い森の中に行き、おじいさんを呼ぶために
走って行くところまでになります。



平沢さんの「時間」シリーズがここで初めて出てきました。
「時間」がついてる曲名が多いんですよね。あえてここでは挙げませんが(^^::
この曲も歌詞よりは曲で決めました。
実は時の女神が消えた後の展開をどうしようか、真っ白な状態だったんですよね(^^::
既にラストは決めていたので、ラストから遡っていくやり方であの展開にしました。
「時間の西方」というタイトルなので、西へ行こうというセリフも考えてましたが、後でつじつまが合わなかったらどうしようという
不安が出てきたのでそれは止めました。
村があるのは時の女神のセリフで「東をまっすぐに行けば村に出ると思うわ」とあるので、モルケのセリフに「西へ行こう」と入れると
明らかにその後のネタバレにつながってしまうのではないかということで止めました。



さっき歌詞よりも曲で決めたと書きましたが、曲のイメージはレオンを失った喪失感を抱えたアルマスがモルケに導かれるまま
暗い森の中へ入って行くという、何か悪いことが起こるかもしれないという不吉な感じです。
歌詞のサビの部分の下記の歌詞が気になりました。



老いた日で明日が呼ぶ 過ぎる時の西へ西へ
知らぬ間に隠された 夢の闇の奥



モルケからレオンに会わせてあげると言われたアルマスは、レオンに会いたいがために、暗い森へと入って行く。
ホーパスは嫌な予感がするとアルマスを引き返させようとしますが、うまくいかずといった展開です。



そして老人が出てきたところからラストまでが3曲目です。
「万象の奇夜」を使っています。
1曲目と同じアルバム「救済の技法」に入っています。
まさかこの曲を使うとは思いもしませんでした(^^::
平沢さんの曲はそういったパターンが本当に多いです。



「万象の奇夜」の歌詞を全部載せます。



知り得ないほどの遠くでは
離れ離れの奇妙な命は何万度の火となり
忘れられた民たちは集い
炎を掲げて迎える万象の風の到来

なにもかもが消え
なにもかもが来る

瞬きの間にも吹き上げる
風に舞い飛ぶ命の巧みに黄金のジオラマ
奇談のように語られたキミの
明日が生まれて称える言葉は何千里も連なる

なにもかもが消え
なにもかもが来る

万象の奇夜 奇夜

知り得ないほどの遠くから
流れ流れて運ぶよ万象の風の到来
瞬きの間にも吹き上げて
数え切れない命を連ねて編み上がるパノラマ

なにもかも終わり
なにもかもが来る

万象の奇夜 奇夜
万象の奇夜 奇夜
万象の奇夜 奇夜
万象の奇夜 奇夜



作詞、作曲 平沢進ということで・・・・・・。
老人が死者の世界の門を開くため、儀式を行うのですが、呪文をどうするかまでは考える余裕はなく(^^::
儀式をどういう感じにするのかということで「万象の奇夜」の歌詞を参考にしました。
歌詞では「風」「命」「火」「炎」があり、死んだレオンは風の力を持っていたので「風」を儀式に取り入れようと考えました。
老人が呪文を唱え終わった後、いきなり風が吹いて竜巻になり、老人の目の前の地面へと入って行って、地面に穴が開き
死者の世界が開かれるということにしました。
もうちょっと迫力のある表現にしたかったかなというのもあります(^^::



穴が開き、それを見ているアルマス。
レオンを呼びよせられないかと老人に聞くアルマスを、老人は突き落としてしまいます。
ホーパスが慌てて後を追おうとするも、時すでに遅く・・・・・・・。
怒りに満ちたホーパスが老人に詰め寄ると、ここでモルケが正体を明かすわけです。
モルケは死者の世界の番人だったのです。



モルケの真の目的を聞いたホーパスはさらに怒り、モルケに襲い掛かろうとしますが
モルケはすんなりと消えてしまいます。
残されたホーパス。
一体、どうなるのでしょうかというところで今回は終わりです。



モルケの真の姿は話が出来上がってから考えました。
最初は悪魔にしようかと思いましたが、死者の世界の番人という設定にしているので
悪魔とは限らないなというのと、悪魔と決めつけるのはどうなのかなと思い
悪魔の尻尾はないようにしました。
地下にあるから地獄だろうという決めつけはよくないかな(^^::



タイトルも最後まで今回は悩みました。
「幽霊の棲む森」にしていましたが、出てくるのは幽霊だけではないので却下。
ちょっとボカシて「霧と影」という抽象的なタイトルにしました。
前半は霧のシーン、後半は影というか暗闇のシーンと別れているのでそれに決めました。



後半最初から暗い展開ですが、次回はどうなるのでしょうか(^^::
次回はホーパスがメインになるとは思いますが、アルマスも出てきます(予定では)。
でも、アルマスはつくづく死に目に遭うことが多いですね(そうさせてるのは自分なのですが)。
次回も新キャラが出てきますので楽しみにしておいてください。
本当は後半クライマックスぎりぎりに出そうかと考えていたキャラですが、いったん登場してもらうことにしました。
あるお方をモデルにしたキャラです(2回目?)・・・・と来たらピンと来る方いるかもしれませんね(^^::



最近、いつ何が起こるか分からない状況が続いています。
自分の身は自分で守りましょう。
一番信頼できるのは自分しかいないのですから。



今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
次回もお楽しみに。
次回は8月中にサイトアップ予定なので、意外とすぐなのかもしれません(^^::