四月の桜 production notes



春になり、桜がようやく咲きましたね。
ただ桜が咲く時期は雨が降りやすいという傾向があるとテレビで放送してました。
今月末の土日の天気は雨予報。
今年のお花見は早くした方がよさそうですね。
自分は家族はもういないし、みんなでわいわい花見するのは好きではないので(^^::
誰もいない時間帯にゆっくり1人で花を愛でる。
少し前まではそれが出来てたんですけど、今はインバウンド客が朝早い時間からうようよいるので
あまり行かなくなりましたね(^^::



今回は前から書きたかった短編をようやく書くことができました。
桜の季節に書きたかったので、今回ちょうどいいタイミングで書くことができました。
今回使っている曲は[.que]さんの「四月の桜」です。
[.que]さんの曲で短編は数年前に1年を通していくつか書きましたが、今回久しぶりに書くことにしました。



この曲を聴いた時、満開の桜がまっさきに浮かびました。
桜の木が風にあおられて、淡い花びらがはらはらと落ちていく。
そんな情景が浮かびました。
それと同時に、なぜか自然と涙が出てきました。
日本人なら分かるかと思いますが、桜は日本人にとって特別な花です。
今は海外でも桜を見れるところがありますが、花見をするまではいかないと思います。



桜って花が咲くまでが長くて、咲いたと思ったらすぐ風と雨で散っていくじゃないですか。
春に花が咲いて、風と雨で散った後、緑の葉を出して、夏の暑い気温にさらされて。
秋には紅葉でいろんな色の葉になって冬になって全部の葉が落ちて。
寒い冬を我慢して乗り越えて、また新たな葉が出てきて、つぼみを膨らませて再び花を咲かせる。



その桜の生き方って日本人の生き方と重なるところがありますよね。
下積みが長かったけれど、あることがキッカケで一気に表舞台に出るとか。
スポーツの試合でもう負けるって分かっていても、あきらめずもう最後だからと思い切った行動に出るとか。
もう最後だから、桜のように潔く散っていけという(^^::
そういうところがありますよね(あくまでも個人的意見です)
桜のような生き方って日本人の生き方とマッチしているというか、合っているというか。
だから桜って日本人にとって特別な花なんじゃないかなと思います。



この曲も聴いていて、満開の桜が散っていくさまと、人の一生というか、人が生まれてから亡くなっていくまでの
流れっていうか(流れというのは変だなとは思うけど)人生を重ねた曲なのかなと感じました。
人生って生きていれば山あり谷ありでいろいろありますよね。
今回、ハルトを通して人生の山と谷というか、ハルトの半生を桜を通して書いていこうと思いつきました。
ラストはハルトが亡くなってしまうという悲しい話ですが、久しぶりに悲しい話を書くことになり気が重かったです(^^::



最初は季節の設定から入りました。
桜の木を通して話が展開していくので、満開の桜はラストに持っていきたい。
そこから逆算していくと、桜が散り、新緑の季節から始めた方がいいかと思いました。
具体的な月は今回は書きませんでしたが、5月から翌年の4月までの設定にしています。
月まで書くよりかはざっくりとした季節設定の方がいいかなと思いました。



季節ごとにひとつのエピソードを書いていく形にしたのも上記の理由からです。
あまりだらだらと長く書きたくなかったというのもあります。
結果、ちょっと長くなってしまったかなという反省はありますが、春夏秋冬のひとつだけ抜けてるというのも不自然だし
いきなり飛ばしたという感が否めないので、そこは丁寧に順を追ったという形です。



アオイとハルトの設定を高校生にしたというのはよかったかなと思いました。
中学生だとまだ心が幼くて、相手を傷つけてしまったりとか悪ふざけしたりするお年頃なので
高校生の方がやや落ち着いていて、自分の進路を考える年齢だし、多感な時期でもあるし。
学校の部活の仲間や先生も入れられるしやりやすいかなと。
ハルトを陸上部にしたのはあまり考えていなかったのですが、話を考えていくうちに決まった感じです。
アオイは・・・・帰宅部です(^^::



最初のアオイが病院まで走って行くシーンも自然と出てきました。
ハルトが部活中に倒れ、病院に運ばれたという設定を考え、そうだとするとアオイはどうするだろうと考えた結果
やっぱり病院に行くだろうという考えになり、アオイが病院に走ってくるというところから始めることにしました。
今回のメインになる桜も新緑の季節なので緑の葉が風に揺れてざわざわと音を立てているという設定です。



そこからハルトの母親に会い、屋上でのシーンになります。
病院といえば病室と屋上というイメージ(^^::
診察室、手術室のイメージもありますが、そこまでくるともう医師がメインになってしまうので
今回はそれは避けました。
この屋上のシーン、泣きながら書きました(^^::
医師から告げられたハルトの最終宣告に、ショックを隠せない母親とアオイ。
涙もろい方はこのシーンで泣いているかもしれません。



このシーン、数年前に亡くなった父親のことを思い出しながら書きました。
父親も病院で最終宣告を受けて、私も同席していました。
話を聞いた直後はあまりにもショックで混乱していて何を言っているのか分かりませんでしたが
時間が経つにつれて事の重大さが分かってきて、さらにショックで。
本人の前では平然を装ってましたが、自分の家に帰ると泣いていました。
本人は「死ぬときは死ぬんだからしょうがない」と言っていましたが、内心は不安だったんじゃないかと思います。



話を戻します。
病気のことをハルトには内緒にしていましたが、ある事でそれが露呈してしまいます。
自分の命がもう長くはないと知ったハルトは病室で泣き叫び、母親がそんなハルトを抱きしめる。
このシーンも書いていて辛かったです。



両親や兄弟、子供が不治の病で、最終宣告があった時、あなたは本人に知らせますか?
パニックになるから、悲観的になって何をするか分からないから本人には内緒にする方々もいれば
自分だけ隠しているのは精神的に辛い、周りに知らせて本人だけ知らせず、周りが急に態度を変えて
本人が違和感を感じていずれ分かってしまうだろうから、あえて知らせておくという方々もいます。
私は後者の方でした。いずれは知られてしまうだろうし、隠しておくのはとても辛かったのです。
医師から話があると聞いた時に、本人も同席しますか?と聞かれ、もしかしたらと直感した私は
同席しますと即答し、本人同席で最終宣告を受けたのです。
病気になった方が大人か子供かにもよります。小さいお子さんはもちろん理解できないでしょうし
多感な時期の子供であれば、伝えるのは難しいでしょうし・・・・・・。
もし本人に伝えないとしても、今回のこの話のようにちょっとしたことで本人に伝わってしまうこともあるので
周囲への念押しというか、配慮も必要になってきますよね。



すみません、少し脱線しました。
でも、もしもの時があったらどうするのか。
病気はもちろん、地震や火事、事件等の事態に備えて家族で一度話をしておいた方がいいと思います。
話をしておいた方が心構えができるし、少しは冷静に考えられると思います。



ハルトが入院し、絵を描いている老人と会い、絵を描くようになっていく流れは最初から考えていました。
老人との出会いをどうするかまでは書く直前までは考えていなかったので、書く時に即興で考えて
隣の病室で老人が絵を描いていることにしました。
その老人が年明けにはもういないというのも考えていました。
どうするか迷ったのは老人の絵の表現の仕方ですね(^^::
ハルトの絵もそうなのですが、力強い筆の流れとか、色が濃いとか明るいとか・・・・・・・。
いろいろ考えましたが、あまり考えず、あまり細かく書いてもしょうがないかなとあきらめました(^^::
ざっくりと大雑把に書いたつもりですが、分かりにくいかな。
あとは読んでくださるみなさんの想像力にお任せします(^^::



ラスト直前のハルトが亡くなるシーンも書いていて辛かった。
人が亡くなる時って、あっけないというか・・・・・。
あっという間なんですよ、本当に。
父親が亡くなった時、私はたまたま父親と一緒にいて、さっきまで元気だったのに
いきなり体調が急変して、倒れてそのまま亡くなりました。
もし私がいない時に亡くなっていたら、おそらく警察から連絡が来て、周辺も大騒ぎしていただろうと思います。
そうならなかったのは不幸中の幸いでしたが、その後病院に行ってからが本当に大変でした・・・・・・。



また脱線してしまいましたが、人が亡くなる時って本当に一瞬です。
自分が亡くなる時もおそらくそうなんだろうな・・・・・。
1人静かにひっそりと亡くなるか、親戚や家族に囲まれながら亡くなるか。
私はもう両親はいないのでたぶん前者でしょうね。老人ホームとか施設に入らない限りですけど。
終活ってよく言いますけど、自分もそろそろ終活した方がいいんじゃないかなと(^^::



すみません、また脱線しました。
本当であればハルトが亡くなるシーンで終わりにするはずでしたが
それだとあまりにも悲しい終わり方ですので(それでもよかったのですが)
アオイのその後をラストシーンに書くことにしました。
アオイは高校生ですので、ハルトが亡くなって1年後は高校3年生。
進路をどうするか決める時期と考えて、ハルトが亡くなったことで多くの人の命を救いたいと看護師を目指すことにして
あの終わり方にしました。
前を向き始めたアオイを応援するかのように、桜吹雪が舞い散るシーンで終わりにしました。



ハルトの病名を何にするかはあえて決めず、難病という程度に留めました。
病名を書いてもよかったのですが、病名を書くことでその病気にかかっている人達だけを
取り上げているみたいな感じにはしたくはなかったのです。
難病というだけでも数多くの難病があると思います。
私達が今後いつ病気にかかるか、またその病気が難病なのかどうかは分かりません。
でももし自分が難病にかかって、最終宣告を受けたとしても、命がある限り精一杯生きていきたい。
もうダメだとあきらめずに、最後まで自分らしく生きていければいいかなと自分は思っています。



[.que]さんの曲ではホームドラマを書くことが多いのですが
今回は「死」について書くことになるとは思いませんでした。
これもホームドラマといえばそうなんですけれど、同時に病院シリーズでもあります。
父親が亡くなったという経験がある意味、今回の話に活かせたんじゃないかなとも思います。
本編、この裏話を泣きながら書いたのは今後もうないと思います(^^::



桜の時期にこの話を書けてよかった。
自信作と言うのは自信がないですが、久しぶりによく書けたなと思います。
部屋から桜が見える方は、桜を見ながらこの話を読んでいただければなと思います。
桜が見えない方は・・・・・桜の画像や動画を見ながら読んでいただければ(^^::
私も近所に桜がなくなりましたので、書いている間は桜の動画を見ていました。
おととしまではすぐ近くに桜の木があって、散歩がてら満開の桜を見ていたんですけど
昨年その場所に住んでいた方がいなくなってしまって、空き家になった家を業者が来て壊した時に一緒に桜の木も倒されました。
今は新しい家が建ってますが、桜の木は残して欲しかったですね・・・・・・。



今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
次回はすぐ長編に戻ります。
次回もお楽しみに。